【逆ハー注意】男装腐女子の魔法科男子校潜入記【2】

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嫌だサボるんだと駄々をこねるエドを引っ張りながら私は比較的軽い足取りで体育館へと向かう。
開会式の挨拶が終わればすぐに新入生歓迎会、いわば新歓だ。

なんどもいうが宝探しだなんて高校生には似つかわしくないイベントには興味がない。だが、このイベントの節々で行われるであろう萌えイベントには興味がある。
昨日は眠すぎてちょっと萌えよりも睡眠を優先したレアな1日だけど、今日から頑張って萌え発掘するよ！さあエドも早くイチャコラしてきて！ケンカップル最高！

「ホノホノー！」
「おはよー！」
「あ、おはよう、えっとリク先輩とカイ先輩？」
「呼び捨てでいいよー」
「ホノホノは特別ー」

そんな特別扱い私じゃなくてそこらへんのチワワにしてください。
二人で攻めろ！チワワを！あ、後ろにいるエドでもいいよ？エドは総受けな感じだからね最近ね！

「っていうかもしかしなくてもホノホノって俺のこと？」
「うん」
「苗字ホノカでしょ」
「「だからホノホノー」」

この両側から聞こえるステレオ、ちょっと面白いな。
ちなみに現在私は右腕と左腕をそれぞれ双子の片割れに勝手に組まれてる。だから！そういう萌えイベは！私じゃなくて！

「……ふつうに名前を呼んでいただけないでしょうか」
「えー？ ホノホノじゃ嫌？ 一応色々考えたんだよね、リク」
「うん、ノカノカとかホカホカとか。ね、カイ」
「あっホノホノでお願いします」

ほかほかはただの温度ですやん。

「じゃあホノホノ」
「行くよー」

一人で一文終わらせられないのかな、とついつい本音を漏らしそうになる私を見て、リクとカイがにんまりと笑う。
そして私の前の立ちふさがり、大振りに喋り始めた。

「僕がリク」
「僕がカイ」

そう自分を指差しながらの自己紹介に私がきょとりと首をかしげる暇もなく、双子は手を結んでくるくると回り始めた。次に私の後ろへ回ったりと行ったり来たりを繰り返して、完全にシャッフルされた頃に、再び私の前へと戻ってきた。

「「どっちがどっちでしょー！」」

出た、双子キャラが登場する小説の王道、どっちがどっちでしょうゲーム。
これを見事当てれば王道主人公は双子に気に入られてあははうふふってなるんだよね！
だが残念、私はフラグなんていらない、傍観者になりたい、あなたたちが他の人といちゃつかれるのが見たい！

「ごめんね、わかんないや」
「そっかー」
「ホノホノなら許す！」

そう言って二人はまたぴっとりとひっついてきた。
なぜだ。

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