【逆ハー注意】男装腐女子の魔法科男子校潜入記【2】

97ねむ ページ48

エドは必死でそれを隠そうとしているが、もうばっちりとみてしまった。
チャイナ服姿の私がレースコースを奔走する姿。ハードルを跳びこえる姿。プールに落ちてびしょ濡れな姿。計6枚ほどの写真が、エドの手元に置かれていた。

「……あ、俺のパンツのやつはないのね」
「パ！？ ……ふ、双子が極秘の一枚、20万なら売ってやるとかほざきやがって……」
「……額が二倍に跳ね上がってる。……なんか、悪いな。迷惑かけたみたいで」
「……別に。っつかお前、女装似合いすぎんだろ。……調子狂う」

だって女子ですもの！！

心の叫びはもちろん心の中までに。
あははーとテキトーに流しておいた。

「次のリレー、テオ……フィール様と会長の真剣勝負だってよ」
「……お前、風紀の野郎様付けで呼んでんのか」
「どこで誰が聞いてるとも知らないし、無駄な争いは避けたいからなー」
「まぁ、俺は俄然風紀の野郎が勝つのに賭ける」
「……ほんっと会長嫌いだよな、エド……」

苦笑をすると、ぶすくれた反応だけを返してくる。
エドの会長嫌いは今に始まったことではもちろんない。会長はあんな性格をしているから、たぶんテオ先輩にしろエドにしろ、こうやって敵を作りまくっているんだろうなぁ。
テオ先輩はたぶんテキトーに会長をあしらっているけど。
あっ、そういう犬猿の仲設定は私的に超グッジョブなんで全然問題ないですよ？どうぞ続けてくださいメ！シ！ウ！マ！

「お前変なこと考えてねぇか？」
「えー？ 心当たりないっすねぇ」

そうこうしている間に、ついにリレーのクライマックス。会長とテオ先輩がスタートラインに並んだ。
アナウンスは叫ぶように現状を伝えてるし、会長は遠目で見ても明らかにテオ先輩に突っかかっている。そしてそんな会長をテオ先輩は軽くいなしているようだ。

どうやら会長とテオ先輩は両者ともに最終走者のようで、それぞれの配置に着く。
全員が準備できたのを確認した先生が、指を空へと向ける。
ぱぁん、という合図とともに、3名の走者が一気に駆けだした。

「うおおおお……」

流石、バトロワの次に目玉ともいえる組対抗リレー。
私が走ったレースなんて赤ん坊のようなそれに見えるだろう。なんといってもチワワだらけだったから妨害も最小限だったんだから。
これは格が違う。

スタートから攻撃と防御技の連発。全3名の走者は絶えず攻撃を繰り出し、そして自分に来る攻撃を防いでいる。
先ほどから爆音が鳴りやまない。使っている魔法も、レベル高い。

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