93ねむ ページ44
「もう大丈夫か?」
「う、うん……ありがとう!」
そう言いながら立ち上がり走り出す少年に、私は笑いかけながら走り出す。目の前の障害物も難なく跳べ、パンツが見えたかもしれないのは言わないお約束ってやつだ。
リーチの差ですぐ彼を追い越してしまったのはご愛敬だ。
次の障害は……と、ボルダリングかぁ。
もう聞かないぞ。なんでランニングコースのど真ん中にクライミングウォールが当然のようにあるのかなんて聞かないぞ。私はえらい子だからね。えっへん。
真下近くまでたどり着いて、私は思い切り助走をつけてジャンプをする。
ヒールで躓く子たちが多いようだけれど、これでも去年までは女の子やっていたんだからこれくらいは一応できないとね。正直つま先立ちを応用すればできない話ではない。あとは最小の注意を払うだけ。
召喚獣の力を借りずなんとか自力で登り切る。ほかのチワワたちは補助魔法や強化魔法を使っているみたいだ。まぁ女子よりも少ない筋力と体力を持ち合わせてれば、そりゃあね。
あいにくと召喚士っていうのは筋力をまぁまぁ鍛えているので、私に言わせればハンデみたいなものだ。
証拠に、のぼっている最中に2チワワ追い越した。
と、登り切った先に見える景色。あぁ、きれいだ。
じゃなくて、これ一般人には下りれないよね。想像できない人はパソコンのエンターキーを思い出してほしい。あれの、右側みたいな。崖っていうレベルでもなく、もはや縦線。しかも高さ5キロメートルくらいかな?
跳びおりるというか、飛びおりるしかないみたいな。ジャンプで着地したら少なくとも足は捻りそうだな。
飛ぶ系の召喚獣といったら誰だろう。あまり手の内晒したくないんだよなぁ。召喚士って手持ちの獣が謎めいているほど勝率上がるし。
あぁまぁ、それじゃあ
「アルミラージ、このレースにゴールするまで手伝ってよ」
こん、とノックをすると、本日何度目かのアルミラージの登場。
彼の背中に乗ってしがみつけば、彼は途端にすごいスピードでクライミングウォールの反対側を飛び降りた。
「っ思った以上にはやああぁああああいぃいいいいいっ!」
何の準備もさせずに急に飛び降りたアルミラージ。重力とか様々なものが負荷してとんでもないことになる私の恐怖心。口をついて出た悲鳴が我慢できなかったのは当然だろう。
多分数字的には短かったけど、一生分長く感じた。
ちなみに着陸してすぐ目の前に私を水に落とした奴がいたので、アルミラージに突進させた。
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - アスヤさん» 最初から見ていただいて感激です……エド君ストライクと言っていただけで嬉しいです!これからもアスヤさんをきゅんきゅんさせられるような小説を書けるよう頑張らせていただきますね!コメント本当にありがとうございました! (2019年8月4日 22時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
アスヤ(プロフ) - 作品最初から見ましたがエドくん好きです!どストライクです!更新無理せず頑張ってください! (2019年6月4日 22時) (レス) id: 85154871a9 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - 歩美さん» 大好きといっていただけで光栄の極みです!地毛がそっくりですと!さぞ美しい髪をされているのでしょうね。頑張らせていただきます、ありがとうございます! (2019年5月14日 13時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
歩美(プロフ) - 初めまして!シリーズを最初から読ませていただいています!!とても面白いのに、キュン要素をしっかり取り入れてもう大好きです。主人公の地毛が私にそっくりで感動しております。更新頑張ってください! (2019年5月13日 17時) (レス) id: 45ec4d7ed1 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - 礼羅さん» あー泣かれないで!つティッシュ 書籍化……できたらいいですね!(無理)ありがとうございますお気持ちとてもうれしいです!エド!これからも絡ませていくしかない!亀更新ですがこれからもよろしくお願いします! (2019年2月5日 22時) (レス) id: 30865517cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:始まりの神 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年8月8日 12時