80ねむ ページ31
「エドー!」
「……ん」
クラスのテントに戻れば、クラスメイトから遠巻きに見られ距離を取られているエドがいた。
今朝、今日はサボったらマジで怒るからと言っておいたのが効いたらしい。さすがにあれだけ準備したイベントに堂々とサボる宣言されたら私でも怒る。
「楽しみだな」
「……あー」
「楽しみって言えよ」
にこりと微笑めば「楽しみデス」と心のこもってない声が返ってきた。お前敬語なんて使えないでしょ。
「「Aー!」」
「あと大神も」
「リク、カイ」
「帰れ双子」
辛辣なエドの言葉を気にもせず、二人はてててと足を動きをそろえてこちらへ寄ってくる。
「俺たち白組だから」
「Aといれないんだよね」
「でも代わりにテオくんが赤組だから!」
「テオくんがA見張ってくれるって!」
「一人で喋れる内容じゃねぇか!」
エドの鋭いツッコミに苦笑をする。
っていうかマジか、テオ先輩に見張られるとか怖いんだけど。
「テオせん、テオフィールさん赤組だったんだ。あの人に見張られたら絶対制裁とか起きなさそう」
「とーぜん! テオくんは強いし!」
「負けないよ、ね? 大神!」
「うるせぇ!」
わざと一文を分けてエドをからかってるなぁ、これは。
エドも煽り耐性が弱いので格好の玩具になっているみたいだ。
「あ、そういえば和先輩やユーリは?」
「和くんは青で、ユーリは僕たちと同じだよー」
あ、片方だけがしゃべった。エドが眉間に青筋浮かばせてる。
「わかった、わざわざありがとう。お互い頑張ろうな」
「うん、負けないよー!」
「絶対に白組かーつ!」
きゃいきゃいとはしゃぐだけはしゃいで、二人は白組のテントへと戻っていく。
どっと疲れた表情のエドに申し訳なく思いながら、地味に運動会が楽しみになっていく。
改めてグラウンドを見れば、もう最初の競技が始まるところだった。最初は定番、100m走から始まるらしく、一年の足の強そうな人たちがずらりと並んでいた。
「お。応援しないと!」
「……」
はしゃぐ私に対し、エドはゆっくりと目を細める。
彼の様子に首をかしげていると、パン、という音がスタートラインに立つ先生の指先から発された。スターターピストルの代わりだろう、と思っていたら、
ドガァン!と爆音がして地面が揺れた。
何が起きたかわからないままスタートラインは煙に包まれた。すぐにその煙の中から一人の選手が駆け出てきて、何事もないように走り続ける。
「……え?」
「これが桜閃運動会だ」
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - アスヤさん» 最初から見ていただいて感激です……エド君ストライクと言っていただけで嬉しいです!これからもアスヤさんをきゅんきゅんさせられるような小説を書けるよう頑張らせていただきますね!コメント本当にありがとうございました! (2019年8月4日 22時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
アスヤ(プロフ) - 作品最初から見ましたがエドくん好きです!どストライクです!更新無理せず頑張ってください! (2019年6月4日 22時) (レス) id: 85154871a9 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - 歩美さん» 大好きといっていただけで光栄の極みです!地毛がそっくりですと!さぞ美しい髪をされているのでしょうね。頑張らせていただきます、ありがとうございます! (2019年5月14日 13時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
歩美(プロフ) - 初めまして!シリーズを最初から読ませていただいています!!とても面白いのに、キュン要素をしっかり取り入れてもう大好きです。主人公の地毛が私にそっくりで感動しております。更新頑張ってください! (2019年5月13日 17時) (レス) id: 45ec4d7ed1 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - 礼羅さん» あー泣かれないで!つティッシュ 書籍化……できたらいいですね!(無理)ありがとうございますお気持ちとてもうれしいです!エド!これからも絡ませていくしかない!亀更新ですがこれからもよろしくお願いします! (2019年2月5日 22時) (レス) id: 30865517cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:始まりの神 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年8月8日 12時