【逆ハー注意】男装腐女子の魔法科男子校潜入記【2】

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そういうと、エドはまるで生ごみを見るような目でこちらを見てきた。
え、何々何なの。頭に生ごみついてる？

「え、何なの」
「……いや、何でもねぇ。お前がそれでいいならいいんだ……」
「何なん、その自分の子供が誤った選択をしたけれど子供の成長を促すために仕方なくいかせようとしている親の心境みたいな表情」
「おいそこの私語二人組、お前らだけだぞどの種目にも参加してねぇの」

よく通る声で千秋先生が私たちを叱る。
いつの間にか、ほかの生徒たちはみんな種目を選び終えたようだ。

「俺借り物」
「あいよ、生徒会庶務は？」
「A・ホノカでーす。えーっと……」

いい加減肩書呼びが腹立たしいので訂正してから、少し考えこむ。
どう考えても障害物は得策じゃないらしいけれど、考える暇を千秋先生が与えてくれなさそうだ。滅茶苦茶面倒くさそうな目で急かしてくれる。

「……障害物競走で」
「おし、これで終わり。じゃあ今日のHRはここまで」

私の名前を書きなぐって、先生は颯爽と教室を出て行った。
どれだけ仕事をしたくないんだ、あの教師は。
そして障害物競走にはいったい何が隠されているんだ。

***

「障害物競走です」
「……」
「また出たその子供には旅させろみたいな目！ 何なんですかさっきから！ エドにもそんな顔されました！」

生徒会室はいつものように書類で埋もれている。私がたった今バン、と叩いた私専用の机の上でもばさりと書類が何枚か崩れ落ちている。
「もうすぐ運動会」。
それはつまり、生徒会がまた忙しくなるということだ。

「ちなみに俺は弾入れだよ」
「玉の変換違うくない？」
「合ってるよ？ 銃だもん」

そういいながらアルくんが銃で撃つポーズをとる。もう嫌だこの学園。

「俺は……借り物……」
「あ、エドと一緒だ」
「……A……借りに……行く……」
「内容ちゃんと確認してね？ リデル」

ゴミ虫とかいう借り物で私借り出されたら一生家から出てこないからね。
流石にそんな借り物ないと思うけど。

「僕は棒倒しですね、棒の上にいる役です」
「俺はリレーと騎馬戦だ」

それぞれが納得いく、想像できる範疇での種目を挙げていく。
障害物を選んだのは私だけか……。

「で、結局障害物競走って――」

その時、ドガァアンと何かが破壊される音と地響きが響きわたった。
瞬時にその場にいる全員が臨戦態勢を取り、振り返る。

その音は、生徒会の扉の外……おそらく、その向こう。
風紀委員室から来ていた。

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