【逆ハー注意】男装腐女子の魔法科男子校潜入記【2】

72ねむ ページ23

「ほんじゃ、運動会の種目決めすっぞ」

今日も元気に胸元をはだけさせている千秋先生。どうでもいいけどいまだにこの先生の苗字？ を知らないんだけどまぁこれ以上名前を増やしたら読者が混乱するからもういいです。
というか運動会って本当に目前だったんだ知らなかった。確かに生徒会では結構準備に追われているけど。

「種目は今からボードに書く。その種目に参加してぇやつはあとで手を挙げろ。多かったら教室の隅っこでじゃんけんだからな」

じゃんけんとか言うな可愛いだろお前そのギャップ。

「エド、どれやる？」
「一番楽なやつ……」
「いうと思った」

けらけらと笑いながらボードを見る。楽そうな運動会種目ってどれだろう、玉入れとかかな。

「ちなみに一人最低二種目が原則だ。学年代表バトルロワイアルに参加するやつはそれが一種目としてカウントされるからな――このクラスだと、大神と生徒会庶務か」

ボードに書きながら先生はこちらを見ずに説明する。
へぇ、このクラスからは二人だけなのか。まぁ各学年から一名のみだからそりゃそうか。私が召喚士、エドがメイジ。ほかの代表は全員別クラスかな。
どうでもいいけどなんでこの教師は私のことを名前で呼ばず生徒会庶務って呼ぶんだ。名前あるよ。

「……ざわつくなぁ」
「目の敵にしてる奴が学年代表に選ばれたらそりゃ騒ぐだろ。悔しがってる奴も当然いる」
「これでさらに嫌われたらつらいなぁ」

忘れないでほしいのはこの学園が進学校の中の進学校だということだ。在籍している生徒はみんな光輝く未来が待っている指折りの秀才たちのみ。その中で代表に選ばれるのは、卒業後履歴書にも残せるレベルでの偉業だったりもする。あとで両親にメッセージ送っちゃおう。

「リレー、障害物競走、借り物競争、騎馬戦、棒倒し……結構普通だね、この学園の運動会にしては」
「殺傷目的以外の魔法使用許可されてる種目だぞ、全部」
「急にサボりたくなってきた」

ただでさえバトルロワイアルで怯えてるのに全種目魔法使用許可下りてるだなんて。
前言撤回、さすが桜閃学園だぜ。

「エド、どれやる？」
「……借り物」
「へぇ、楽なんだ？」
「借り物が見つからなかったって理由でサボれんだよ」
「いくらなんでもやる気なさすぎね？」

本当に自分の力を磨くこと以外に興味ないんだな、エドって。
そこまでの徹底さ、もはや尊敬すら覚える。

「お前はどうすんだ？」
「うーん、障害物競走とか面白そうかなーって思ってて」

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