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六十三訓 紅桜篇ー終 ページ15





結局、ヅラの言葉に甘えてしまい

午前中は休ませて貰った



その後、久しぶりに江戸城へ行くと

色んな人から説教と心配をされた



姫様なんて大泣きして

小一時間くらい抱きつかれた状態だった



将軍様からは


「今週はゆっくり休め。松平にもそう伝えておく。」


と言われたが、流石に仕事も溜まっているので

今日、明日の二日間だけにしてもらった



そんな心お優しい将軍様とは真逆に

松平さんからは大量の書類を渡される



そりゃもう、部屋の三分の一が埋まるくらいには



どんだけ溜めてんだよ!! 少しはしろよ!!



あのクソジジイいつか毒盛ってやる←




そしてその部下もまた然り



「高杉に拉致られたって聞いたが詳しく聞かせろ。」


わざわざ江戸城まで

足を運んで来た近藤さんと土方さんと沖田くん



近藤さんと沖田くんからは心配の言葉をもらった


沖田くんが本心でそれを言ったかは分からないが



それとは正反対に

うちの疲れなんて容赦なしに質問してくる土方さん



ヅラや銀時達の名前を伏せて大まかに話した



睨みながら←



「にしても、Aさんって刀使えるんですねィ。」


『え、まぁ、昔ちょっと教わっとったけんね。』


「高杉が途中で来たにしろ、

辻斬り相手にその怪我で済んだのは凄いと思うぞ!」


「たまたまだろ。」



そのあと少し世間話的なのをして三人も帰って行った

















一人になると考えてしまうのは晋助のこと



拉致してまでうちを捕まえようとしとったとに

帰りは引き止められることは無かった


そして、宇宙海賊春雨と手を結んでいた



昔、銀時に初めて一本取ったときに見せたあの笑顔


あの頃を思い出すと心が痛くなる



どうやったらあの頃みたく一緒に笑えるのか


どうやったらあの頃みたく、一緒にバカできるのか




考えても出てこない答えに唇を噛み締める




すると一冊の本が目に入る




『あ、教科書。』



松下村塾のときに使っていた古びた教科書


パラパラと捲ってみると

所々落書きしていたり

筆がズレたあとなどがあった



それを見ていると心が軽くなった気がする


『懐かしいなぁ…………、

先生、また皆で会いに行くけんね。』



それまでにはきっと、また四人でバカしとるよね

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作者名:睡眠足りない布団好き女子 | 作成日時:2021年2月7日 21時

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