最近よく会うアノヒト２【JK】 (ページ32)

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待ち合わせは夜の７時。

デートは
私が観たがってたミュージカルの舞台。

入手不可能と思われてたチケットを
グクが知り合いのコネで
入手したらしい。

しかも席もすごくいい場所。

私は
ワンピースを着て
いつもグクの前ではしないメイクまでして。
靴に至ってはスニーカーでもスリッパでも
裸足でもなくてヒールで。

グクは
まるで私に合わせたかのように
夏用の黒のジャケットに
白のＶネックシャツに
黒のチノパンという
きれいめのファッション。

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ね？ここまでの説明で
完璧なデートだと思うでしょ？

違いました。
原因はわからないんだけど

グクは

…………なんでこんな不機嫌なの？

私、なんかした？

朝からずっと
スンってしてる。
語彙力ないけど、
なんていうの、
ずっとスンってしてるの。

『楽しみだね？』

JK「うん、」

『なんか元気なくない？
まだ風邪治ってないとかー？』

JK「完全に治ったよ、元気」

『………なんかあった？』

JK「別になんもないよ」

ずっとこんな調子で。
ずっと観たかったミュージカルも
集中できない。
てか内容なんて頭に入ってない。
最初から聞いてない。
グクは隣にいるっていうのに
すごく遠くにいるみたい。

グクがデートしようって言ったんじゃん
こんなんじゃかっこつかないから
ちゃんとかっこいい俺で
告白したいって言ったんじゃん

………ばか、グク。

JK「ふぁーっ、面白かったね。
次はどうする？今は…夜の10時だけど
どっかで飲む？」

『帰る』

JK「は、え？」

『知らない、もう。帰る、私』

バックを持って劇場から逃げるようにして
私は走る。

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