【現パロ金カム】紅影 (ページ16)

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第十四話ページ16

玄関の古びた引き戸は植物やら石が挟まり動かそうにも上手く動かず、ぴっしゃりと閉まっている。

何とか蹴るや殴るなどの力技でその引き戸をこじ開けると、外とは違う生ぬるい空気が自分の身体の周りを通り抜けた。

それ共にやってきたのは、とてつもなく強い腐敗臭。杉元は反射的にぐっと眼をつむる
それほどまでにこの匂いは強烈なのだ。

卵が腐った臭いとも違う。
牛乳パックが腐った臭いとも全く違う。
これは...

恐る恐る目を開けると、自分の周りには腐敗しシロアリが巣を作った跡が残る木材が折り重なるようにして散らばっており、蝿が数匹飛んでいた。

この臭いとこの蝿...やっぱり...本当に腐敗した人が...

そう考えて、杉元の背筋に寒気が走る。
しかし、それだけで怯えて明日子の元へ戻っては、大人気ないだとかなんだとかのプライドが邪魔して、戻る気持ちが消えていく

これ程までにプライドが厄介だと思ったことは無い。杉元は自分へ怒りを感じた。

しかし進むしか道は無いため恐怖を押し殺して、ゴミ屋敷同然の古民家の奥へと入り込む。

足元で虫が動いた気がした。
耳元に埃の塊が跳ねて当たったのを感じた。
ガラスの欠片を踏みしめ、瓦礫の中をかき分けて歩く。

そして次第に臭いは強くなり、いてもたってもいれなくなる。

苦し紛れに通路の先にあった引取の取手に急いで飛びつき、なれない環境で落ち着くため、大きく口で息を吸った所でひと休みする。

_____ただの古民家なのに...なんでこんな空気が重てぇんだよ

うっすらと開けた目で来た道とは逆の方向を見つめていると、両側の壁が崩壊している部分の天井から何かが垂れ下がっているように見えた。

壁にもたれ掛かり、天井から垂れ下がったソレを見つめる

汚れたピンク色の柔らかそうな見た目、どこからが生えた髪らしき糸

杉元はそんなモノと
___目があった