【現パロ金カム】紅影 (ページ15)

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第十三話ページ15

食事も終わり、その後の片付けも一段落したところで、明日子は杉元に声をかける。

「まず、ここがどこか調べる必要があるな。」

「うん。でも知らない場所なんでしょ？宛なんてあるの」

杉元は明日子に心配そうに声をかけるが、明日子は軽く返事をした。

「ない。だが夜に薪を集めていた時に遠くにちらっとあかりが見えた。誰かがいるのかもしれない。」

「そっか。まぁ、進むしか道は無いし行こうか明日子さん」

「あぁ、杉元」

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しばらく歩くと、木と木の間から昭和初期辺りの雰囲気を醸し出す建物が見えた。

あれは、村だろうか。
民家が沢山あり、そして異様に新しい気もする。

何故ここにこんな所が·····

明日子も村に気がつき、誰かいないかと近づいてみる。
だが、その村は異様な程静けさに包まれていて、人っ子一人、生き物1匹の気配もしない。

「何だこの村は、不気味だなぁ」

「あぁ。そして何よりも何かの匂いが·····」

村を歩いていると、突然匂いが強烈になり思わず鼻を抑えてしまった。
吐き気を催すその匂いは、まるで何かが腐ったような匂いだった。

その匂いの在処を2人で探していると、とある一軒の屋敷から匂いが来ている事が発覚する。

その屋敷は周りの古民家と比べて、かなり新しく、そして鯱などの、とても豪華な装飾が施されているのが見て取れる。

「臭いッ」

しかし、あまりの臭さに明日子は顔を梅干しのようにすぼめ、鼻をつまむ。

「何の匂いだよ·····これ」

近づけば近づく程、その匂いは心臓を押しつぶす程キツイ匂いとなり、その建物には近ずくことが出来なかった。

そんな中、明日子は鼻をつまみながら小さく言う。

「これは·····人の腐った臭いだ·····」

「ひ、人っ！？」

突然何を言うのかと一瞬耳を疑ったが、少女は確かに人といった。
人が腐った匂等嗅いだ事がなかったが、確かに、すぐ納得してしまうものがあった。

「杉元、あの屋敷を少し調べよう」

「え！？行くの·····？だって人なんでしょう」

しかし、いくらこの子が大人びていたって、子供は子供だ。
腐乱した死体をこんな小さな子に見せたなら、どこか気が引ける。

「·····わ、分かったよ。俺が行ってくるから」

「そうか。気をつけろよ」

そう咄嗟の判断で言ってしまったので、杉元は屋敷の玄関へ向かった。