俺/おれ/僕たちが惚れたのは、貴女が可愛すぎるから悪いんです！！【白鳥沢】

２話:正反対な後輩 ページ3

時間が経つのは早いもので、あっという間に金曜日。


バレー部の皆で、テーピングとか必要なものを買っている。


瀬「A、大丈夫か？俺が持とうか？」


心配そうに聞いてくるこいつは、瀬見英太。

優しくて頼れてイケメンな瀬見を見ると、心底残念なイケメンだと思う。


瀬「………今、失礼なこと考えてたろ。」


あっさりと心を見透かされた。


『………てへ。』


瀬「真顔で言っても可愛くないんたが……。(はぁぁぁぁ！？何今の！？可愛すぎんだろ！！)」


だって表情筋が動かないんだもん。しょうがないね。


白「………あの。」


『？』


振り向くと、私が唯一後輩で可愛くないと思う後輩、白布賢二郎。


白「これ、買ってください。」


って、差し出されたのはしらす。


『……好きなの？』


白「どっちでも良くないですか？」


………ほんと、可愛くない。


私もだけど、こいつの方がよっぽど可愛いげない。


『……良いよ。買ってあげる。』


そう言って白布の手からしらすを奪い取り、カゴに入れる。


一方、白布と瀬見は目を丸くして私を見ている。


『………なに？』


瀬「いや……。珍しいこともあるんだな……。」


『まぁ……。私、白布大っ嫌いだからね。』


そこは否定しないよ。


白「……俺も大っ嫌いですよ。」


『ふーん。別にどっちでも良いけど。』


白布が睨んでくるが、大して身長が変わらないから、別に怖くない。


白「っ………！可愛くない先輩。」


『可愛くない後輩。』


そんな低レベルな言い争いが暫く続いた。


いや。普通そこは誰か止めなきゃでしょ。


五「凉篠宮先輩！俺は先輩のこと、大好きです！」


いきなり白布と私の間に入り、嬉しいこといってくれる工。


『うん。私も工のことは大好きだよ。』


思わず、ぎゅっと可愛い工を抱き締め、頭を撫でる。


白「なっ！下の名前……！」


下の名前……？


そういえば、私は下の名前で呼んでるのに、工は苗字だな……。


『工。』


五「はいっ！」


『工は可愛いから、名前呼びを許可する。』


ちょっと偉そうに言ってみた。


工はそれを気にすることなく、パアアと顔を輝かせた。


五「本当ですか！？」


『うん。ただし、うるさく名前は呼ばないでね。』


五「はいっ！」


工は元気だなぁ。可愛い。


白布とは正反対だね。

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