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「水無怜奈って、カンパニーの?」
「……そんな情報も持っているのか。約束してくれないか、君は絶対に俺たちの味方だと」
「最終的な目的は一致してますが、絶対にあなたたちの味方だとは言いきれません。……ああ、そんな顔をしないでください。彼らの味方になることはそれこそ絶対にありませんから」
赤井さんはしぶしぶ頷いた。よかった、あたしにだって味方でいたい気持ちはあるんだけど、でもあたしは零くんの味方だから……。
ていうか、赤井さん完璧に沖矢なってるね。工藤邸に居候中かは不明だが、木馬荘にいたのは一瞬だったし十中八九そうだろう。
関係ないけど原作軸ってことは零くん二十九才? 安室さんになってるってことだよね、うわあ心臓もつかなあ。そもそも会いに行く必要あるの?? もう大人になってるんだから傍にいる必要なくない??? それからこっちの時間の流れ早くなーい???
精神統一。零くんにはあたしが会いたいから会いに行く。それで充分。忘れられてたら元気な姿を一目見て帰る! 泣くかもしれないけどそれで充分!!
そして、零くんが帰ってからあたしが来るまで二週間も経ってないのに、こっちの世界では十五年も経ってる。その計算でいくと零くんが来てから戻るまでに約六十年経ってることになる。どゆこと?
「殺されたのにそんな姿で出歩いてていいんですか?」
「今黒の組織の連中はイタリアに集まっていると確かな情報が入った。君に初めて会ったときも、くつろいでいたところに緊急事態だって連絡がきたものだから、変装する時間もなくて……」
「スミマセンデシタ」
「別にいい。俺の慢心もあったわけだし」
今度からは気をつけることにするよ、と上機嫌な彼。全く反省の様子が見られない。そんなに楽観的でいいのだろうか……。というか結局時間軸わかってねえ……。
「赤井さんは日本に拠点を置いていると言ってましたよね?」
「ああ、知り合いの家に居候させてもらっている」
「変装した姿をお教えしていただくことは」
「それはできない。どこから情報が漏れるかわからないからな」
赤井秀一の情報は絶対に漏らさない、と約束してはいるけれど、沖矢昴の情報を漏らさないかはわからないということか。かなり慎重だ。そりゃそうでなきゃ困るんだけど。
次にバーボン、と呟く。赤井さんの眉がぴくりと動いた。
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えりんぎ苺(プロフ) - よるさん» レス遅れて申し訳ありません、気づきませんでした……! 主人公をできるだけフツーの女の子にしたかったので、それが伝わって嬉しいです。十四才零くんとのやり取り書き足りないんですよね(笑) 完結させて頂きありがとうございます。コメントありがとうございました! (2020年6月14日 18時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
よる - ちょっと文字数が足りなかったので…完結お疲れ様でした! (2020年6月5日 1時) (レス) id: e10e6d9ba2 (このIDを非表示/違反報告)
よる - めっちゃ面白かったです!とくに主人公が凄く個性が強いわけでもなく、普通の人って感じがしてとても共感するし、読みやすかったです!(語彙力少なめなので伝わってると嬉しいです) 14歳の零くんと主人公のやりとりが鮮明にわかり微笑ましい気持ちになりました笑 (2020年6月5日 1時) (レス) id: e10e6d9ba2 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎ苺(プロフ) - ゆるり。さん» 寂しく思ってくださるなんて……! 繊細で優しい書き方だなんて初めて言われました。すごく嬉しいです。こちらこそご愛読いただきありがとうございました。ぜひぜひ次もお付き合いください。コメントありがとうございました! (2020年5月31日 8時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり。(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品が更新されるのが楽しみで楽しみで、完結してしまったのが寂しいくらいです…。繊細で優しい書き方で、とてもわくわくしました。素敵な作品をありがとうございました!次も付いていきます! (2020年5月31日 7時) (レス) id: f1881e43ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えりんぎ苺 | 作成日時:2020年5月25日 21時