あの日、未来のトリプルフェイスを拾った。【名探偵コナン】

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カレーがなくなる。予想以上に美味しかったので、あたしもおかわりした。たっぷり作ったのでまだまだ残っている。だから食べても大丈夫……、でも太るよな。うーんそれは困る。

食べるか食べないかで迷うが、でももう盛り付けてしまったし、今日は頑張って走ったしと自己完結させる。こうして上質なお肉が製造されていくのだ。



「なんであなたがAのつくったご飯を食べているんだ？！ 僕はもう十五年も食べていないのに！」

「Aが率先してつくってくれたんですよ。それはそれは美味しくて……お嫁に来ないか訊いていたところです」

「なっ……貴様ァ！！！」



やばい。やばいよ零くんの中で赤井さんヘイトがうなぎ登り。だからなんで赤井さんは零くんを煽るかなぁ！！！



「嫁入り前の女性を家に泊める神経が僕にはわからない！ もし世間の目が彼女に向いたらどうするつもりだ！！」

「そのときは責任を持って彼女をもらいますよ。……ああ、もちろんあなたも結婚式には呼びますからご心配なく。彼女のウェディング姿、見たいでしょう？」

「ふざけるな！ 貴様に嫁いだAのウェディング姿なんて見たくない！」

「あなたはAの幸せを祝福してあげられないんですね……Aがどれだけ悲しむことか」



こうして聞いていると、赤井さんの上手感がすごい。零くんは赤井さんが絡むと十才以上若返るからな。かわいいなぁ零くん、小動物感が否めないのがすごくかわいい。キャンキャン必死に吠えてるのがかわいい。もう全部がかわいいよ零くん、大きくなってもかわいいなんてすごいねぇ。

このままオトナな赤井さんとかわいい零くんを愛でていたい気持ちもあるが、あんまり長引かせてもコナンくんが可哀想なので、そろそろ止めに入ろうと思う。

スプーンに乗せたカレーを、さらに噛みつこうとする零くんの口に突っ込む。あたし口に突っ込むこと多いな。みんなは危ないから絶対にやっちゃダメだぞ。



「むぐッ？！ 何するんですかA…………！！」

「はいはい、落ち着いて。……おいし？」

「うま」



零くんは幸せそうに顔を緩めている。よし、これで零くんは大丈夫。「まだ続けますか？」と目で呆れた気持ちを伝えると、赤井さんはくしゃりと苦笑した。赤井さんも大丈夫だ。


今回のMVPはカレーだ。目が据わっているコナンくんと心が通じた気がした。

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