白虎の化身

33寝相と誘惑 ページ36

未だ船長室のベットで
ローに捕らえられているA。






いや、起きてくれた方が解放されるのかな？

いやいや…キレられそう(笑)







ふつふつと
Aが考え込んでいると
再びローが動き出す。




ちょ…//うわっ！？//
先ほどよりもますます抱き締められ
ローの胸板へと押し付けられる形となる。




「……A…っ………」



えっ！？//
突如、傍らの男から名前を呼ばれ
赤面しながらも
顔を凝視してしまうA。



どうやら寝言らしい。



ローさん、寝てるっ！？//
って…ローさん力強すぎなんだけど//

もはや、もがけばもがく程
抱き締められる力が
強くなっているように感じる。




あぁ……もう、いっかな……




半ば諦めつつ、斜め上にある
ローの顔を見上げる。





っ！？//


や…やっぱり逃げたいぃぃ//






頭を悩ませながら隙を待つA。





ハッ！？

すると、少しばかりローの力が緩む。







今しかないっ！！！とばかりに
Aは体を動かし始める。


しかし、人生そう甘くはない。








バシッ！？



え………


右側を何かに掴まれたと思った途端
気付くとAは既に
ローの懐へと再び収まっていた。
今度は後ろから包まれるような形で……




いやいやいや…
どんだけなの、ローさんの寝相//


ぎゅうと更に力は強まり
ローはAの髪や首元へと顔を埋めていく。


ちょ、ちょ…ローさん！！//

バタバタと慌て出すAに
ぽつりと一言ローの寝言が聞こえてくる。









「………行くな」







聞こえた瞬間
ピタッとAの動きが止まる。







なんか…ずるいんだけど………//







２度目の捕獲に
ついにAはあきらめ
次第に再び意識を手離したのだった。






あ…無理……
あったかいぃ………Zzz…



翌朝、ローたちを起こしにきた
シャチ達の大絶叫が船内に響いたのは
言うまでもない。





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