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ひかるさんの表情は、それはもうあからさまに怒っていて、笑顔で近寄ったわたしも思わず顔が強張る。


「今何時だと思ってんの?」

『…ごめんなさい。』

「今日バイトなかっただろ?…今までどこに居た?」

『公園の、ベンチに、ずっと…』


はぁ、と溜め息をつかれて、肩がピクリと反応した。

怖くて俯いてしまったから、今ひかるさんがどんな顔をしてるのか分からない。

ただ時が過ぎるのを待った。

やがてひかるさんはもうひとつ深い溜め息をついた後、わたしの腕を取って、マンションに入った。

リビングに入ってソファに座るなり、ひかるさんはわたしの前に立って見下ろす。


「あのな、そりゃ大学生だしもう大人なんだからお前がどこで何して遊んでようが文句言わねえけど。連絡くらい出来んだろ?」

『…はい』

「しかもずっとベンチに座ってたって…」

『すみません……』


ひかるさんはわたしの両手のひらを握った。

驚く暇なくギュッと握られその瞬間その部分に熱が集中する。


「……こんな冷たくなるくらい、外に居たら心配になる。」

『、心配?』

「そう。遅い時間に外ウロウロしてたら何かあっても文句言えねぇぞ?」

『……うん、』


思わず泣きそうになったわたしを見て、ひかるさんは優しく笑った。

そのまま目元を親指でなぞって、また頭を撫でる。


「A?」

『……』

「また、死にたくなった?」

『……うん、』

「……そっか。」

『…でも、ちゃんと帰んなきゃって、思った。ひかるさんのとこ、帰りたいって…』

「うん。」

『わたし、頑張った、?』

「うん…」


抱え込むように、ひかるさんはわたしの隣に座ると、そのまま頭を自分の胸に押し当てた。

ちょっとだけ痛かったけれど、そんな事気になんないくらい幸福で満たされる。


「頑張った。」


そう呟く声が、たまらなく愛おしいと思った。

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かえで(プロフ) - この小説大好きです!!!いつも更新楽しみにしてます(^^)頑張ってください☆ (2016年3月21日 22時) (レス) id: 683565b60e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さと | 作成日時:2016年3月1日 16時

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