木の実と４人組 ページ31
小さかった炎がみるみるうちに大きくなって、落月にダメージを与えた。
だがフランマも力不足なので、眼眩まし位で精一杯だった。
落月が次に彼女らを見たとき、既に草熅の下に三名が集まっていた。
フランマ「矢さんの放つ矢に、あたしの炎を纏わせるのはどう？」
矢「おそらく感覚が繋がっているからな、熱いのは嫌だから辞退する。」
フラワー「ねー切る手もだいぶ疲れてきたんだけどー！」
フランマは何か思いついたのか、鳥のような脚の爪先で花弁の破片を掴み、炎を纏わせ翼で煽いだ。
それを繰り返してくうちに、数枚の破片に燃え移り、飛んでくる破片にも飛び移り
フラワー「僕と矢くんは燃え移るかもだから危ないよ〜。」
フランマ「フラワーさんに燃え移るなら、あの翔んでるのにも移るはず！」
フラワー「なるほど！」
するとフラワーは沢山の鳥を草熅の方へ向かわせ、風を作った。
フラワー「風専門の月の死神ほどじゃないけど、鳥と友達の花の死神だって、少し風は操れる。」
矢は矢を射って風を強めようとしたが、鳥に当たったら怒られそうなのでやめた。
そして何とか草熅の所にまで炎を届け、草熅は森へ逃げていった。
惑歌「何とか毒霧を薄くしてきたよ。」
惑歌は肩で息をしていた。
これで、盗賊の様に現れた4名を追い払うことが出来たと思われた。
が、
パン！と葉っぱ鉄砲の音が鳴り響き、反射で振り向くと、目亜の赤い目が迎えた。
少し意識が飛んだ様な気がした。
気づいたときには、みんな崖下に突き落とされているところだった。
底では草熅がより多くの花弁を用意している。
落ちてしまったら、もはやミキサー状態だろう。
落ちてゆく私達を掴んだのは、フランマだった。だが、フランマだけでは限界もあるだろう。
ローレライの、空気を作る力で手伝いはするものの、解決にはならない。
矢は、本体である矢に体重を近づけ軽くして、フラワーに、鳥で上げてもらっていた。
フラワーが、未だ崖上に来れていない。
フラワーは咄嗟に死神用の鎌を出し、崖に引っ掛けて、私たちの手も借りながら上がってきた。
もう攻撃もされまい。
草熅「ふー、もうさすっがに良いだろう。帰らむ！」
落月「じゃあ、私は白壺支えて帰っとくから。」
そうして四名はさっさと帰ってしまった。もちろん私たちは呆気にとられていた。
惑歌「とりあえず、学校の方に帰りましょうか。」
フラワー「うん。だいぶ疲れちゃったし。」
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作者名：山岸ふあ | 作成日時：2020年4月14日 21時
