レーテー川の小石を集めて (ページ27)

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真っ黒の魔女さんページ27

菖蒲はこっちを見ていない。
八岐さんと話をしていて、例の相談中だ。

菖蒲「喧嘩腰になったっていいことはある。相手よりも上だということがわかる。」

八岐「矢と似たようなことを喋っとる。喧嘩は同程度の者同士で起こる。助言も一緒だ。」

これを俺が聞いてるのはおかしい。
俺はこのくらいのときは寝ているはずだ。

菖蒲「俺は平和な町民に作ってもらった。戦いなんてできない。」

八岐「大丈夫。知り合いに物理的な攻撃はできなくとも、精神的な攻撃を身に着けた者が居る。
今度紹介しよう。」

知らなかった事実に驚いていたら、菖蒲がこっちに歩いてくる。避けようとするのに足は動かない。
とりあえず両腕で顔を守るが、菖蒲はそのまますり抜けていった。

夢だとしても何かが違う。
下を見ると、足が透けていた。

足元を見ていたうちに、天宙の柄がかなり変わった。季節も変わった気がする。

菖蒲「己、幽霊か。その魂、《気力落とし》の鍛錬に使わせてもらう。」

こちらが視えていて、正体は判らないのか容赦なく斬りかかってくる。

別の部屋
セゲメフ「随分と生長したじゃないか、フラワー。」

フラワー「……。」

館の主の部屋
??「かわいい～！これが手紙？持ってきてくれたの？(藁)」

惑歌「えっと、任務は終わったので早くみんなで帰りたいのですが。」

??「結構はっきり言えるタイプなのね。声もすごくしっかりしてる！
でも、私のこと話してあげるから、もうちょっと一緒にいて！あ、惑歌ちゃんって名前の魔法ってわかる？」

惑歌「いえそんなに。」

鈴奈「じゃあOKね、私の名前は鈴奈(りんな)、この館で魔女をやってるの。色々調節したり、重要な魔女なの。あ、せっかくだし仕事見せたげる！」

そう言うと鈴奈さんは机の上の光る板を操作し始めた。

鈴奈「えー、まとめにあるかな？月大きさ、っと。『月の大きさが日に日に大きくなってるのに』
あった。こいつを処理すればいいのね。
さて、これにて最初の1割は終わったわ。おつかれさまでした。なんちゃって！この先はまた機会があれば。」

惑歌「あの、なぜ私達の名前を？」

鈴奈「あぁ、それは手紙に同封されてたのよ。
多分お節介と、配慮ね。(裏目に出たけど)」

惑歌「終わったならば帰りたいです。」

鈴奈「よし、良いわよ。1つ、あるフェニックスの子がいるのだけど、持ち帰ってくれない？」

断われなさそうな気がしたので、頷いた。
何故か疲弊しているフラワーと矢と一緒に館を出た。