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海浜の風 ページ20

しばらく休ませて貰った後。

矢「月さんと別れるとき、この月長石を取ってしまって…」

月「月長石はこの辺りでは溢れるほど採れるわよ。別に返さなくていいわ。」

矢「…そ、そうですか。」

読「そういえば、次は何処へ行くの?」

惑歌「次行くべき場所が見つかりました。
私の故郷です。3人で行ってきます。」

ライフィーネ「よかった。もし困ったことがあったらいつでも呼んでちょうだいね。」

2人の月人と1人の死神にお礼を言って、
4人は月の草原をあとにした。

学校を卒業し自由になった私たちは、それぞれの過去への精算をしに行った。

惑歌のふるさとであるドイツ近海…ではなく、シレンカと会ったポーランドの北の海へ行くことになった。

学校から、空いてた部屋を貸してもらい、魔法で移動することにした。


フラワー「で?海に行くってんだから海水浴だよねって言って、せっかく夏に来たんじゃん」

フラワー「な・の・に!!!
なんで惑歌も矢も水着を持ってきてないのさ!
僕は死神だから元々精神年齢や知識は高く設定されてますけど!?
僕が3人の中で1番大人だったってことかい?ああ?」

惑歌「ローレライは自分の周りに水泡を作って水中に入るから、水着は必要なくて、、」

矢「俺が生きてた頃は川で魚を獲るときも全裸だった。」

フラワー「惑歌のそれは初耳だし!?矢はときも!も!ってなんだよ他にも全裸になるときあんのかよ!」

矢「お祭りのときは全裸になって男女で」

フラワー「嫌な予感がしたからSTOP。」

惑歌「私は夜にシレンカに会うつもりだから、気泡を使って魚を捕ってるわね。」

矢「俺も矢をモリの代わりにして魚を捕るか。」

フラワー「まさかの1人で海水浴かい!」


ーー夜になりーー
惑歌「私は1人で待つから、先に部屋で待ってて。」

矢「わかった。」

フラワー「焼き魚食べて待ってるねー。」

海水浴に似合う夏、だけでなく、シレンカの家系の証である 満月 が出る日を選んだ。

今日は月が近いのか波は高く、大きな音を立てていた。

シレンカ「また会いたいな」

歌が聞こえた。この近くの海中からだ。

シレンカ「生きる目的は無く、もう会う望みが糧」

人魚が波から飛び出してきた。

水滴は月に照らされ、真珠が玉砕したかのようになっている。

崖の片隅で歌おうとしたシレンカの所へ、流木の影から近づく。

シレンカ「! 嘘……、ずいぶんと、、大きくなったのね。」

友情の波は立たず→←認識による信仰



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作者名:山岸ふあ | 作成日時:2020年4月14日 21時

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