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運動場に行くと先輩たちはもう到着していて真希さんから「遅いぞ!」と言われてしまう。
「体調悪いのか?」
「ちょっと硝子さんのとこに相談に行ってて……」
「相談?」
「それが昨日からちょっと……」
フェロモンの暴発について話そうとした瞬間、「A〜!」という声と共に身体全体に重たい何かが伸し掛かる。
ギュッと抱き着いたまま離れない誰かさんの姿を見るとそれは五条先生だった。
フェロモンに充てられた人間ってこんなに盲目な恋愛バカになるんだ、と思って溜息が出る。
「何だ悟、また怒られるぞ。」
「実は昨日からAのこと好きになっちゃって〜!」
「違います!ただフェロモンが暴発してそれの被害にあっただけでしょ!」
五条先生を押し退けて真希さんの後ろに隠れる。
硝子さんの時と同じで真希さんに触れてもフェロモンは出てこない。やっぱり男の人相手じゃないとあんな状況にならないんだ。それもそれで厄介だけど。
体術を身に着けてる暇があったら制御方法を身に着けたほうが良いかも。
「硝子さん曰く呪霊の攻撃でたまたまフェロモンの核が刺激されて力が強まったみたいで、五条先生が被害に遭ったんですよ。」
「私とパンダが普通ってことは男にしか効果ないってことか?」
「え、狗巻先輩は……」
まさか、と思いながら狗巻先輩に視線を移す。
少し離れた場所に座っている狗巻先輩はじっと私の顔を凝視している。が、その顔はいつもと違って赤らんでいて明らかに恋をしているっていう感じの顔だ。
長袖長ズボンで手袋もしてるのにどこからフェロモンが漏れ出したんだ、と自分の身体を見回す。
そんな私を見たパンダ先輩が「髪からじゃない?」と言った。
「でも髪からフェロモンが出ることなんて今まで1度も……」
「今までは、の話だろ?暴発してるんだから髪から出てもおかしくない。」
「帽子も被らなきゃいけないってことじゃないですか。」
髪からフェロモンが出るってことは顔から出てもおかしくはないし、服を通り抜けてもおかしくはない。すぐに制御方法を早く見つけるしかない。
異常すぎる事態に溜息を吐く。そんな私の元に駆け寄ってきた狗巻先輩は私の元に駆け寄ってきてそのまま抱き着いた。
狗巻先輩は猫みたいに頬ずりをして私の頬に触れるだけのキスをした。それが恥ずかしくて身体の動きが止まてしまう。
制御するより先に私の心臓が爆発してしまいそうだ。
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作者名:もも | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Momo_UxxU_
作成日時:2021年2月2日 19時