18:運命の天使 ページ39
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一方的に私の手を握って私の後ろでキレてる伏黒くんと狗巻先輩を無視したまま東堂は「これが運命か……」と呟いた。
「高田ちゃん以外にも運命の相手がいたとはな。」
「え、急に何……?」
頭が混乱する。いや、誰だって初対面の人に泣きながら手握られたら同じ反応になるだろう。
辺りには舞ったままの木片、伏黒くんの血の匂い、そんな青々と綺麗な晴天には全く似合わない状況に訳の分からない人。
とりあえず逃げようと思って手を振りほどこうとしても力の差がありすぎてそれすら叶わない。
そんな私を見た狗巻先輩が不機嫌そうに「離れろ。」と呪言を使った。
「おかか!」
「何だ?男の嫉妬は見苦しいぞ?」
狗巻先輩の呪言で私から強制的に離れた東堂は私を抱き締める狗巻先輩をそう言って煽る。
ギュッと私を強く抱き締める狗巻先輩と東堂で2回戦目が始まりそうでちょっと怖い。が、東堂はそんなのお構いなしに私と狗巻先輩に近付いてきた。
身体が大きい分私の前に立つと影ができて尚更圧迫感がある。
「女神、というよりは天使だな。名前は?」
「け、慶光院Aです。」
名前言わないと面倒な事になりそうだから一応名乗っておく。と、東堂は「そうか、慶光院家の……」と呟いた。
京都校の人間ってなると加茂さんもいるし真希さんの妹だっているから五条家の下に付いてる慶光院家の事もさすがに知ってるか。
任務でうちの家の人と一緒になることもあるだろうし。
「それにしても不思議だな。俺のタイプとは全くの正反対なのにここまで惹かれてしまうとは。」
「フェロモンのせいだとよ、パンダには効かないがそれ以外の異性には効くらしいぞ。」
「アンタの場合俺みたいに本気で好きじゃなくてフェロモンのせいなんだよ。」
「しゃけしゃけ!」
私を庇うようにそう言い始めた3人を交互に見つめる。
何て良い人達なんだって再認識する。
いや、伏黒くんも狗巻先輩もフェロモンの効果さえ切れれば東堂と同じ状況だって分かるんだろうけど、ここでそう言っても厄介になりそうだから言わないでおこう。
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作者名:もも | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Momo_UxxU_
作成日時:2021年2月2日 19時