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五条先生の瞳に私の戸惑った姿が映る。
フェロモンはまだ調節できてなくて、こんな状況なのにじわじわと溢れ出している。
そのフェロモンのせいなのか、五条先生は私の唇に優しく自分の唇を重ねた。
「やめてください、五条先生。」
「それ禁止。」
「は?」
「傑みたいに僕の事も悟くんって呼んでよ。」
このタイミングで子供みたいなことを言い出した五条先生に呆気にとられる。
昔は五条先生の事も悟くんって呼んでたけど今の関係は教師と生徒なんだから呼ぶのはちょっと駄目なんじゃないかって思ってしまう。
小さい頃に悟くんって呼んだ時も両親から色々言われたし。
元々五条先生は私の家系より上の存在なんだから。
「周りに色々言われても僕が文句言ってあげるよ。」
「そういう問題じゃ……」
「2人の時だけってのも良いね。」
考える素振りを見せながらも私の両手はしっかりと手でソファに押さえつけててちゃっかりしてるなって感じる。
真希さんとかパンダ先輩みたいに呼び捨てしてる人もいるし、周りの大人や上層部の人間にバレなきゃいい。
それに呼ばなかった方が面倒な事になりそうで、「悟くん。」と昔みたいに声に出した。
「手離してよ、悟くん。」
「え〜どうしようかな〜?」
「離さないなら五条先生呼びに戻しますよ。」
私の発言を聞いて渋々手を離したのにどこか満足げにDVDの再生ボタンを押した五条先生は座り直した私の肩に頭を乗せた。
ふわり、と寝室と同じ香水の香りが鼻を掠める。
今の私の状況を親や祖父母が見れば何で五条悟からの誘いを断ったんだってめちゃくちゃ文句を言われて四面楚歌状態だろうけど、こういうのはさすがに付き合ってもないのに駄目だ。
ていうか五条先生と私が万が一結婚なんてしたら五条家どころか五条先生を狙ってる家の人間全員から恨まれちゃいそう。
「五条先生早く結婚したらどうですか?」
「え〜悟って呼んでってば〜、それより何?僕と結婚したいって?」
「慶光院家よりも良い条件の家なんていっぱいあるでしょ。」
私に呪骸を手渡した五条先生はそのまま私の首元に噛みついた。
首筋に痛みが走って「いたっ!」と声を漏らす。
舌なめずりをしながらそんな私を見た五条先生から「Aがいいの。」なんて言われる。
五条先生が我儘言えば私は確実に嫁にさせられる。
早くフェロモンをコントロールできるようにしないと本当に五条先生と結婚させられそうだなってちょっと怖くなった。
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作者名:もも | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Momo_UxxU_
作成日時:2021年2月2日 19時