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特別授業、そう言われても内容が全然想像出来なくてその事を考えすぎていつも以上にパンダ先輩に投げ飛ばされてしまった。
痛む手足を擦りながら五条先生に指定された教室の扉を開く。と、そこにはアイマスクを外して遠くを見つめる五条先生の姿があった。
相変わらず無駄に綺麗な顔面が夕焼けのおかげでより一層綺麗に見える。
「あ、来た来た〜。」
「待たせちゃいましたよね、すみません。」
「良いの良いの、気にしないで。」
私の傍に駆け寄ってサラッと髪の毛に触れた五条先生はそのまま髪の毛にキスを落とした。
童話の王子様がお姫様にするようなその光景に魅入ってしまう。
傑くんが不気味だった反動もあるかもしれないけど五条先生に安心感を抱く。
2人が高専生の頃は傑くんに安心感、五条先生に恐怖って感じだったのにすっかり立場が逆転しちゃったなぁ。
そう思って10年前の事を思い出していると五条先生は私をお姫様抱っこしてそのまま別の場所へ飛んだ。
「はい、特別授業の会場だよ〜。」
「え、ここって……」
真っ黒で高そうなシーツが引かれたベッド、大きな窓から差し込む夕日、男の人向けの爽やかな香水が薄っすらと漂う何とも言えない色っぽさを感じる寝室。
特別授業って言葉と五条先生に連れてこられた寝室に心臓が大きく跳ね上がる。
高校生教師と女子高校生のいかにもありがちな恋愛漫画に出てきそうなシチュエーションに息を呑んだ。
よくよく考えてみれば五条先生は今私のフェロモンに充てられてるわけで高専時代から女の人に困らないほどモテてる人で。経験もそれなりにあるだろうしちょっと不安が湧く。
「緊張してる?」
「や……さすがにこれは……」
教師が生徒に手を出すなんて違法行為、許されるわけがない。
一歩も動けない私に近付いてきた五条先生に肩が震える。が、五条先生は私の横を通り過ぎて部屋のドアを開けた。
予想してなかった行動に「え、」と声が漏れてしまう。
「リビング行こうか。……あれ?期待しちゃった?」
「し、してないです!」
首をぶんぶんと横に振る私を見て笑った五条先生は寝室を出て廊下を歩き始める。
五条先生が飛ぶ場所を間違えるはずがない。この人私の反応見るためにわざと寝室に来たんじゃ……
まんまと五条先生の思惑に嵌ってしまった自分に溜息を吐きながら後ろをついていく。と、リビングのドアが開かれてそこには最近私の頭の中を埋め尽くしている人物がいた。
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作者名:もも | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Momo_UxxU_
作成日時:2021年2月2日 19時