13:放課後の秘密 ページ28
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式神のおかげで無事に高専に戻ってこれて一息吐く。
念の為にと思って持って行ってた式神をあんな風に使うと思ってなかったなぁ、なんて思いながら校舎に入るとそこには伏黒くんと五条先生の姿があった。
「あ!A〜!どこ行ってたの〜!?」
「あ、ちょっと買物に……」
「俺があげた式神使っただろ、何かあったのか?」
伏黒くんの質問で先程までの傑くんとの会話を思い出して顔が引き攣る。
呪詛師にならないかって誘われてちょっと心が揺らいじゃいました〜なんて言えるわけもないし言ったとしたら裏切り者扱いされそうで「帰り道歩くの面倒でつい。」と嘘を吐く。
式神解除したのは高専の目の前だったし気づかれないよね。
ドクドクとうるさく鳴る心臓を必死に落ち着けながら「何の話してたんですか?」なんて話題を逸らした。
「交流会の事で少しね。恵に合った呪具の話してたの。」
「そう言えば真希さんと一緒に呪具の使い方の練習してたっけ。」
「俺のこと見てくれてたのか、嬉しいな。」
「はぁ〜?ちょっと視界に入っただけでしょ、Aが自分に気があるなんて勘違いすんなよ、捻り潰すぞ〜?」
大人げないことを言った五条先生と伏黒くんが睨み合う。
私普通のこと言ったのにフェロモンのせいでこんな状況になるなんて面倒だな。
今にも戦いそうになってる2人を止めようと口を開こうとした時、校庭で真希さんが伏黒くんを呼ぶ声がした。
その声を聴いて溜息を吐きながら公邸へと向かった伏黒くんを五条先生と一緒に目で追う。そして伏黒くんの姿が完全に見えなくなった瞬間、「で、本当は何があったの?」と聞かれた。
「な、何って?」
「Aが式神使うなんて何かあったに決まってるでしょ。」
じっと顔を見つめられて声がどもってしまう。
五条先生には何でも見抜かれてる気がして「すぐ、るくんが……」と口を開く。と、五条先生は驚いたような表情を向けた。
「傑くんに呪詛師に誘われて逃げたんです。」
「アイツ……!」
「虎杖くんを生き返らせれるかもって言われて揺らいだけど大丈夫です!ちゃんと断りましたから!」
「論点はそこじゃなくてアイツが僕のAに近付いたとこなの。」
それは絶対に違う。
この人いつまでもブレないな。
呆れた表情を五条先生に向けつつ、怒られなくて良かったと安心する。
そんな私を五条先生は優しく抱き締めて「特別に放課後特別授業してあげる。」と囁いた。
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作者名:もも | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Momo_UxxU_
作成日時:2021年2月2日 19時