story204 ピアノソナタ『月光』殺人事件36 ページ10
Aside
蘭ちゃんが隠し扉に夢中になっている間、底の下には白い粉が大量に落ちていた
......!まさか、これって...
『新一君、触らないで!(ボソッ』
「どうしたんですか?Aさん(ボソッ」
新一君も底の下に落ちている白い粉に気づいたみたいで指で触れようした時、私が小さな声で触るなと言ったら新一君は不思議そうな顔をする
この白い粉、私が思っている物だとしたら...
私は鞄の中をガサゴソと漁った後、厳重に入っているシモン試薬を取り出す
ちなみにこれは組織に入った時から常に持ち歩いている代物だ
そして綿棒で全ての粉をくっつけた後、粉をシモン試薬の中に入れると薬品の色が青色に変わった
やっぱり...この白い粉の正体は麻薬だったのね
恐らく...その人影はピアノの下にある隠し扉で麻薬を隠していたのは確実だ
だからピアノの下を探ってたのね...
探っている時に村沢さんに見られた事で口封じをするべく彼を殴ったのだろう
『麻薬だわ...これ(ボソッ』
私が小さな声でそう言いつつ薬品が青くなった事を新一君に見せると新一君は驚いた表情を見せる
これは麻薬を持っていたと言う証拠になる為、厳重に袋にしまっておいた
その後、私達は村役場へと移動する事になった
村沢さんは診療室に運ばれ、令子さんは村沢さんに付き添う形でこの場にはいない
村役場にいるのは清水さんと平田さんのみ
「この島で起きた3つの殺人事件は手口などから見て同一人物による犯行と見て間違いないでしょう」
「(何だろう...何か引っかかってんだよな...Aさんの言う通り、犯人は本当にあの人なのか...?あの人が川島さん達を殺す動機なんて...それに第2の現場に残された暗号を見てから、何か妙に...)」
目暮警部の発言に新一君は何やら考え込む様なしぐさをしている
恐らくだけど、血で書かれた譜面を見て何か引っかかっていると思ってるはずだわ...
「目暮警部!黒岩氏、殺害現場の写真が焼き上がりました」
「ご苦労。そこに並べておいてくれ」
「はい」
鑑識さんから殺害現場の写真が焼き上がったとの事で目暮警部は空いているテーブルに並べる様に指示を出すと鑑識さんは指示に従い、テーブルに写真を並べ始める
目暮警部は成実さんに村沢さんはどうかと聞くと成実さんによると令子さんが看病しているらしいが、意識はまだ戻っていないとの事
私は並べられた写真を一枚一枚見つめていると黒岩さんの首の所で赤く光っている事に気づいた
これ...何かしら...?
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作者名:黒羽明菜 | 作成日時:2018年6月16日 2時