story222 ピアノソナタ『月光』殺人事件54 ページ28
成実side
公民館で焼身自 殺しようとしていた俺は自分がした事が馬鹿馬鹿しく感じてしまっていた
少しでもあの子が落ち着けるなら俺は少しでもあの子の役に立ちたい...あの子の傍で支えてあげたい...
そんな気持ちが俺の中で芽生えた
例え、あの子が犯罪を犯.したとしても...
成実side 終了
Aside
成実先生に抱きしめられていた私は唖然としてしまい、しかも声が涙声になっている
泣いちゃ駄目だ...泣いてはいけない...彼女と約束したのよ...
「君は何も悪くない...だから、泣かないで?」
『そんな...!私は彼女を見殺しにしたのよ!?悪くない訳が...!って...泣いてるって...泣いてなんか...!』
その時、成実さんが私は何も悪くない事と泣かないで欲しいと言ってきた為、私は驚きながらも思わず声を荒げながら彼女を見殺しにした自分は悪くない訳がない事と泣いている事を知らず、泣いてなんかいないと否定してそう言うが、目から温かいものが流れ始めた
えっ...!?どうしてこんな時に涙が出てくるの...?
何で...何で泣くのよ...泣いちゃ駄目なのよ!
止めようとしても涙が止まらなかった
「無理して泣く感情を捨てる必要はないよ。俺には君は無理して泣かない様にしているのが見えるから。だから、思いっきり泣きなよ」
成実さんはそう言って微かに...本当に微かに笑っていた
その言葉を聞いて私は思わず涙が溢れる
『そう言ってくれてありがとう...本当にありがとう...!』
声は未だに涙声になっているが、私は成実さんに身を預けたまま思いっきり泣いた
酷く安心する暖かさだ...と思ったわ
こんなに思いっきり泣いたのはいつ以来だろうか...?
もしかすると、7年前以来かも知れないわね...
そして...あれから15分ほど経ったかしら?
「少なくとも俺は君の事を悪い人だと思ってない」
成実さんがポツリと話し始め、私は無言で成実さんの話を聞く
こんな風に言ってくれたのは一番の親友である【あの子】以来だわ...
まさか...そう言ってくれるとは思わなかったわね
「そして三人を殺したのは他の誰でもない。この俺だよ...それでも君は俺に生きていいと思ってるのか?そして...俺の手や俺自身の事を綺麗だと思ってるのか?」
成実さんは三人を殺したのは自分であり、それでも生きていいと思っている事や自分の手や自分自身の事を綺麗だと思っているのかと問いかけられた
貴方は私なんか比べ物にならないほど綺麗よ...
今でも眩しいと思うくらいキラキラと輝いているもの
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作者名:黒羽明菜 | 作成日時:2018年6月16日 2時