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「それでね!この切り目に醤油をかけるとすっごく美味しいんだよ!」
と言って、楽しそうに実演してみせるリナを横目に、自分もやってみることにした。
ふと、残った卵を手に取ったときに卵にひびが入っていることに気付き、思わず声をあげてしまったけど、
それを見たお姉ちゃんが「よくあるから大丈夫だよー」と教えてくれたからすごく助かった。
ひびが縦に入っているから、割るときどうすればいいか迷ったけど、ぐちゃってならずに卵を割れたから
すごく嬉しかった。何ていうか、割り箸を綺麗に割れたときのあの達成感に似てるかもしれない。
そして、恐る恐る黄身に切り込みを入れてみた。
「うわあ、ちゃんと固まってる…!」
確かに、ちゃんと固まっていた。白身がとろとろなのはスーパーに売っている温泉卵とそこまで変わっていないような気がするけど、黄身に切り込みを入れたときの、スーパーの温泉卵のあのとろぉっとした感じが全然なくて、純粋にすごいと思った。
だけど、気付いたらお姉ちゃんとリナはいつでも食べられる状態になっていて、待たせちゃいけないから
急いで醤油をかけたら少しかけすぎてしまった。まあ、ちょっと濃い方が好みだし別にいいや。
私も用意ができたから、ちゃんと3人で手を合わせて、いただきます、と言ってから食べ始めた。
「あっ、めっちゃ美味しい…」
一口目、黄身を少し取ってご飯と一緒に口に入れたとき、思わずそう漏らしていた。
こう、なんて言ったらいいのか分かんないんだけど、今までに食べた温泉卵の中で、ダントツでこれが美味しかった。ふと隣を見ればお姉ちゃんは幸せそうな顔をして温泉卵かけご飯を食べていて、リナは「白身がとろとろしてて美味しい…」と嬉しそうに呟きながら食べていた。
…何だろう、失礼なんだけど端から見たら変な姉妹だと思われそうだな。
その後、親にバレないように後片付けをしたけど、結局お母さんにバレてすごく怒られた。
でも温泉卵は美味しかったし、結構楽しかったから後悔はしていない。
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作者名:水素水 | 作成日時:2020年5月10日 20時