33 喧嘩 ページ35
Side You
部屋着に着替えるべくゾムくんとの相部屋を出ようとしたら
何故かゾムくんに呼び止められた
A「…どうしたの？」
zm「あ…その……」
珍しくゾムくんがどもっている
できるだけ普段の笑顔を装っていたのだけど
何か勘づかれたかな
A「何かあった？」
zm「…あの、さ」
A「うん」
いつもみたいな騒がしさはない
静かな、お葬式の時みたいな、そんな声色
ゾムくんが深呼吸をする
1回、また1回…3回目の深呼吸が終わると
ゾムくんは私を見据えた
zm「…A、なんか隠しとらんか？」
A「…なんのこと？」
やっぱり、気づかれてた
ゾムくんにだけ
たった1人
入学してからずっと隣にいた人だけ
zm「誤魔化さんでええ」
A「身に覚えがないんだ」
zm「そんなことないやろ」
A「ホントだって」
zm「正直に言うてみぃや」
A「…っ」
私の言葉はそこで途切れる
だって、ゾムくん
今までにないほど、静かな目を
私に向けてるんだもん
怖い、目を合わせたくない
こんなゾムくん見たくない
…でも
ホントの事を言って傷つくゾムくんも見たくない
──私が隠し事をしているのはホントの事だ
私は泣いた理由を"目にゴミが入ったから"と言った
でも実際はユカに侮辱されて泣いたんだ
そんなこと言っちゃったらゾムくんは怒るだろうし
それ以上に傷つくと思う
私と同じ境遇のゾムくん
けど、私より強いゾムくん
きっとそれは、ずっと我慢をし続けてきたからだろう
本当の彼はずっと傷つきやすい
実際に見たことは無いけど、多分、そう
A「…確かに隠し事はしてるよ」
zm「！なら…っ」
A「でも、」
でも、でもでも…
絶対、絶対に
A「言わないし、言えない」
zm「っなんで！」
A「ゾムくんが傷付いてるとこ、見たくないから」
zm「なんで、そうやって1人で抱え込むんさ」
A「今言ったでしょ、君を傷付けたくないの」
zm「……。」
意地でも言わない、言えない
抱え込む、という程の事でもないし
A「危険な事じゃないから大丈夫」
zm「そうじゃなくて」
A「そこまで重い話でもないから」
zm「……」
A「だから、心配しないで」
私は、そう言い切る
ゾムくんはしばらく黙って俯いていた
やっと顔を上げたと思えば
どこか、悲しい表情をして
zm「…もっと、頼って欲しいんやんか」
そう言って、部屋をでていった
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フラワー(プロフ) - コメント、ありがとうございます！wrwrdだと色んなペアがあるのでそれなら夢主とzmさんで脅威ペア！みたいな...ほぼ書きたいっていう欲望で始めたこの作品ですが、頑張ります！あんこおさんも番外編の方、楽しみにしてます！頑張ってください！ (2021年1月18日 7時) (
レス) id: 7134aa4a2a (このIDを非表示/違反報告)
あんこお - （初コメ失礼っ！）脅威さんの可愛さが溢れていて、尚かつ夢主と脅威さんがペアを組むっていうのがもう最高です！（語彙力無くてすみません…）更新頑張って下さい!応援してます！ (2021年1月18日 6時) (レス) id: 33306f1976 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フラワー | 作成日時：2020年12月5日 20時
