扁桃腺炎(和)14 ページ49
和サイド
ん？
何？
背中触られてるの？え？耳触られてる？
せっかく気持ちよく眠ってるのに、誰だ？
しかも知らない手の感触...
目を開けると智兄の顔が視界に入った。
智「今ね森川先生が診てくれてるからね。」
森川先生？誰だ？
背中を聴診器が行き来してるが感じられる。
てか翔兄はどこ行ったの？目が覚めるときにはいるよーって言ってなかったっけ...
ひどい...ひとりぼっちにした。
はっきりと目が覚めてくるのと同時に喉の痛みも感じるようになり
咳払いをするとそれがきっかけになりゲホゲホと咳き込んでしまう。
森「熱は37度5分まで下がってますね、とりあえず今のところは。肺の音も両サイドとも問題ないです。ちょっと失礼しますねー。」
いきなり視界に知らないドクター姿の若い男性が立ったと思ったら
手が首に伸びてきた。
グリグリとリンパ腺を遠慮なく触られる。
イテテテテ。
扁桃腺炎の患者の頸部触るんだったらもうちょっと加減してよ。
翔兄だったらもっと優しくしてくれるのに。
「いたいなぁ。」
森「あ、すみません。まだだいぶ痛みありますか？」
智「和、そんな言い方しないの。」
「だって扁桃腺炎の患者さんだもん、痛いに決まってるじゃん。」
智「だからって診てくれてる先生なんだから失礼でしょ。」
森「まだリンパ腺かなり腫脹してますね。痛み酷いようだったら鎮痛剤追加しますけどどうされます？」
追加して欲しいけど...
あまり薬併用すると副作用も心配だし。これ以上苦しみたくない。
「今薬何入れてるの？」
森「えーっと、確認しますね。」
パソコンをカタカタと操作している間に智兄が答えてくれた。
智「アモキシシリンとデキサート。アモキシシリンは1ショットで側管からいれてデキサートはミックスしたの、翔の指示で。」
森「そうですね、はい、そうです。」
森川っていう若いドクターがパソコン見ながら頷いてる。
『かずぅぅー調子はどうだぁー？』
カーテンがシャっと開かれてスクラブ姿の格好良い翔兄が入ってきた。
翔「あ、起きてたの。で、どう具合は？森川が診てくれた？」
「リンパ腺グリグリされたのぉー。」
智「だーかーらー和、そんなこと言わないの。」
翔「優しくしてやってって言ったのにー。」
森「すみません...」
翔「バイタルも呼吸音も問題ない？」
森「熱は37度5分まで下がってます。両肺ともクリアです。」
そう言われても自分で確かめたいのか首にかけてある聴診器に手をのばす翔兄。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2016年8月28日 21時
