扁桃腺炎(和)11 ページ46
智サイド
とりあえずお腹が空いて死にそうっていう翔に昼休憩に行ってもらったんだけど...
「かずぅー機嫌なおしてよー。智にぃここにいるでしょー？翔もお昼終わったらすぐに来てくれるって言ってたじゃん。」
何を言っても聞いてくれず。
ぐすんぐすん泣いてるせいで、咳もなんか痰の絡んだ感じになってきたし。
「コンコン出て痰出そうならここにペッて出して和。飲み込んだら気持ち悪くなるし後から苦しくなっちゃうから。」
くるんと丸くなった背中トントン叩きながら声をかけてるんだけど。
和「翔にぃ..行っちゃったの。和くん置いてけぼりにして行っちゃった...ふぇ〜ん、ゲホゲホッ。」
僕がいるのになぁ...と少し複雑な思いを抱きながらも
具合悪いときの和はいつも翔にべったりだから仕方ないか、と思う。
和「翔にぃ...翔にぃ...」
さっきから和から発せられる言葉は『翔にぃ』そればかり。
貴重な休み時間だと思いながらも早く帰ってきてーと祈るような気持ちになる。
うわ言のような和の翔にぃって言葉だけが響いてる。
翔「おまたせーーーーっ。」
うわぁーびっくりしたぁ。
すごいボリュームだし、すごい勢いでカーテン開くし、めっちゃびっくりしたじゃん。
お昼ごはん食べてお腹いっぱいになってエネルギーチャージできたんだろうね。
スクラブから筋肉質な腕が出ていて格好良い。
頼りになる救急のドクターってのがにじみ出てる。
「ランチ食べてすんごい元気になったね翔。」
翔「うん。きっと和ぐずってるだろうなって思ったからカツ丼と親子丼マッハでかきこんできた。」
どんぶりとどんぶり...
炭水化物のみ...相変わらずだな。
翔「ちょっと咳気になるね。」
せっかく翔が戻ってきてくれたのに肝心の和は嬉しそうな表情を見せる代わりに
さっきよりももっと頻繁に咳をしている。
「痰が出そうなんだけど、ちゃんと出さないで飲み込んじゃってるみたいなの。10分ほど前からちょっとゼロゼロした感じはしてる。呼吸苦ではなさそうなんだけど。」
翔「和、背中ちょっと冷たいかもだけど動かないでね。」
シャツを捲くりあげて可愛い背中を露出させ背中に聴診器を当てる翔。
咳で小さい背中で揺れるたびにトントンと優しく叩いてあげている。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2016年8月28日 21時
