扁桃腺炎(和)8 ページ43
和サイド
ぐいっと身体引き起こされてベッドの端に座らされる。
足ぷらんぷらんなんだけど...
「ううぅーん。」
翔「どした？ここ苦しいことない？」
大好きな翔兄の手が胸をトントンとしてくれる。
「ゲホゲホゲホ。」
返事しようと口を開けると咳き込んでしまう。
翔「先にネブライザーだけしような。お口開けて和。自分でちゃんと持てる？」
首を横に振る。
翔「甘えたさんだなーまったくぅー。」
隣に座ってきた翔兄がぐっと肩を引き寄せてくれて支えてくれる。
翔「いいよ、ここに頭乗っけて。お口あけてこれちゃんとくわえて。咳落ち着くし気管支もしっかり保湿されるから。」
パクッとネブライザーをくわえる。
頭乗っけてって言われてもなで肩の翔兄...乗っけれる面積すんごく狭いんだけど。
しばらく沈黙が続きネブライザーのしゅーしゅーなる音だけが響く。
翔「もうすぐ終わりそうだね。少しは楽になった？」
返事を聞く前にシャツの中に聴診器を持った翔兄の手が入ってきた。
翔「楽に呼吸しててくれていいからね。」
時々肌に触れる翔兄の手が冷たくて気持ち良い。
それだけ俺の熱が高いってことなのかな。
プシュシューッと薬剤がなくなったこを知らせる音がした。
くわえてたネブライザーを離すと唇がカサカサに乾いていた。
「眠たい。」
ボソッとつぶやいてみる。
聴診中で聞き取れなかった翔兄が、イヤピースを片耳だけ外した。
翔「なんか言った？」
「眠たいの。」
翔「わかったわかった。ちゃんと肺の音も聞いたら寝んねしたらいいからもうちょっと待って。」
足をプラプラとさせながらやけに長く感じる聴診が終わるのを待つ。
やっと終わって寝転がれると思って体勢をかえようとしたのに...
翔「念のために背中でも聞かせてね。」
シャツをガバッと上まで捲り上げられた。
背中にヒンヤリとした感触がある。
翔「はいおしまい。今のところ喘息は大丈夫そうだね。良かった。いいよ、ゴロンして。」
翔兄が足を持ち上げてくれたのでそのまま身体をコロンと転がした。
翔「熱高いから水分補給のために点滴だけさせてね。そのままで良いからあーんてお口開けて。」
しゃがんで目線を同じ高さにあわせて翔兄の顔が目の前にあって恥ずかしい。
小さく開けてみる。
一瞬、舌圧子が入ってきた思ったらすぐに引き抜かれた。
1秒も経ってないと思うけど見れちゃったの？さすがだな。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2016年8月28日 21時
