兄達と旦那さんはスーパードクターズ 28 (ページ42)

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扁桃腺炎(和)7 ページ42

翔サイド

しばらくすると返事がきた。

『熱はなかった。喉は右側少し腫れてた程度。咳もしてなくて喘息の徴候もなかったよ。ちゃんと診てないけど、パッと見た感じだけど、ごめん。どうかした？』

末っ子の潤からだった。

「潤が診てくれたの？」

目を瞑ったままの和に話しかける。

こくんこくんと頷いたので頭ポンポンしてやる。

『ありがとう。熱発して今救急にいる。少し辛そうだけど重症ではないから心配しないで。』

心配してるだろうから返信だけ手短にすませる。

「じゃ診てみような。いったん起き上がれるか？喉見たいから座って欲しいんだけど。」

甘えたいのか身体が辛くて動けないのか。
全然動く気配なし。

「じゃ喉はあとにしような。指にこれはめるよ、痛くないから動かないでね。」

パルスオキシメーターを可愛いぽてっとした手を取り指に挟む。

数秒もすると数値が表示された。
98パーセント。大丈夫そうだね。

「外来診察中は咳でしんどかったりしなかった？」

喉痛いときに話すとついつい咳払いが増えてそれがきっかけになって咳に繋がることが多い。
咳が増えると気管支が刺激されて喘息に、っていう悪循環が始まっちゃうんだよね。

聞いても相変わらず返事は返ってこない。

「呼吸音聞かせてね。」

相変わらず動く気配がないのでシャツを捲り上げることも難しい...
仕方ないのでシャツの上から背中に聴診器をあてる。

「頑張って深呼吸できる？」

目は閉じてるけど眠ってはないみたいで指示に従ってくれる。

スーっと吸い込む音が聞こえたと思ったらゲホゲホと咳き込んでしまった和。

「あらら、この咳しんどいなぁ。」

さっと両肺の音を聴いてすぐにネブライザーを頼んだ。

ナ「お待たせしました。あ、和先生でしたか。喘息ですか？」

ネブライザー持ってきてくれたナースが心配そうに和を見ている。

「扁桃腺昨日からちょっと腫れてたんだけどね。風邪ひくとどうしてもゼーゼーしちゃうみたい。ありがとう、そこ置いておいて。インタールで準備した？」

ナ「はい、他の薬剤の方が良かったですか？」

「いやその方が良いの、ありがとう。」

ナースが出て行ったのを確認してから和に声をかける。

「ちょっとしんどいかもだけど身体起こしてネブライザーしよう。枕挟んであげるから、な？はい、頑張ってよ。」

両肩をしっかり掴んでぐいっと身体を起こす。