扁桃腺炎(和)3 ページ38
翔サイド
「起きろー雅。からあげが待ってるぞー。」
雅の部屋に入り大きな声を出す。
ガバっと飛び起きた。びっくりさせちゃったかな？
雅「からあげ？もうできたの？」
嬉しそうな顔してる、良かった。
「うん。オペ大変だった？」
雅「大変も何も次から次へと誰かさんが押し付けてくるからねー。ほとんどオペ室ですごして体ひえっひえよ。」
「ごめんってー。でも助かりました、ありがとう。」
雅「いいえ。あ、そういえば和兄大丈夫？」
「ん？和どうかしたの？」
雅「あ、いやぁ、よくわかんないってか知らないんだけど、俺が帰ってきて着替えて寝ようかなって思ったらなんとなく咳の音が聞こえたような気がして。でもベッドに横になった瞬間スイッチ切れちゃって。」
少し気まずそうな表情をするあたり本当に雅らしい。
気になったのに様子見に行かないまま寝ちゃったのを申し訳ないと思ってるんだろう。
「そうなんだ。ご飯だし今から和も起こしに行こうと思ってたからちょうど良かった。雅は先に下行ってできたてのからあげ食べておいで。」
ベッドから飛び起きて細い身体をぐーーーっとのばしストレッチするとそのまますごい勢いで階段を下りて行った。そんな急がないでもね、笑。
よし、じゃ風邪ひきさん第一号の様子見に行こうかな。
トントンと部屋をノックする。
予想外にすぐに返事が聞こえた。
「あ、起きてたの？」
ベッドの上で寝転がりながら手にはゲーム機が握られている。
和「お帰りなさい翔兄。そりゃ起きてるよー。当直明けからこの時間まで寝てたら身体のリズム狂っちゃう。」
視線はゲームに釘付けのまま。
「雅が咳してたって言ってたけど風邪ひいた？」
和「うん、風邪ひいた。」
びっくりするくらい素直だな。
「症状は？」
和「風邪の症状。」
「あのさーもうちょっと具体的に教えてよ。」
和「だって風邪の症状全部だもん。」
「咳、くしゃみ、喉の痛みってこと？熱はない？」
和「熱はなかった、朝病院出るときに測った。」
「あーーんしてごらん？」
ベッドに近づき声をかけてもまだゲーム機から目を離さない。
「かずぅー、ゲームはいったん置いて、あーんしなさい。」
和「んぅー。あぁー。」
拗ねたっぽいけど口は素直に開けてくれた。
「よく見えないや。リビングの明るいところで診せて。潤がからあげ作ってくれたよ、一緒に下に行こう。」
ベッドから起き上がった動作を見る限りそこまでしんどそうではない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1044人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルパン
| 作成日時：2016年8月28日 21時
