兄達と旦那さんはスーパードクターズ 28 (ページ36)

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扁桃腺炎(和)1 ページ36

雅サイド

ただいまー、誰に言うでもなくリビングのドアを開ける。

ああー疲れた。
めっちゃ疲れた。

ずーっと立ちっ放し。
外科医はオペ室でほとんどの時間を過ごすって言っても限界があるよ。

電気をつけると机の上にメモが見えた。

『起こさないでね。和。』

それだけ書かれている。

カレンダーを見る。
我が家の出勤表。それぞれが当直、休みの日など書き込んでいる。

でもAに言わせると、これはほとんど詐欺みたいなものらしく
特に外科系の俺とか翔兄はしょっちゅう予定が変わる。

内科系の3人も入院患者さんで気になる人がいたらそのまま病院に泊まることも多いし。
おまけに独身だっていう理由から急に当直変わってくれと先輩から
頼まれることも珍しくない。

早い話、あくまでも勤務予定表であって...実際は半分もこの通りにはなってないだろうな。

今日の日付を見てみる。

ん？
和兄は、当直明けで昼過ぎから寝てるってことかな？

でもそしたら晩御飯には起こして欲しいと思うんだけど。

どういうことかな？と考えてみようにも脳みそが働かない。

体がめっちゃ重くてソファにゴロンと寝転がりたいけど、とりあえず着替えだけは頑張ろう。

冷蔵庫から良く冷えた水のペットボトルを出してゴクゴクと喉に流し込む。

外は木枯らしも吹いて寒いんだけど、
オペが立て続けにあった日はなぜか気持ちが高揚してる。

冷たい水が身体にしみこんでいって気持ちよい。

ふぅぅーーっと息を吐き出し肩をぐるぐると回し少しストレッチをする。

俺も手紙書いておこうっと。

『晩御飯できたら起こしてね。から揚げが食べたいなぁ。雅。』

階段を上り部屋に入り着替える。

部屋着に着替えてベッドにごろんと転がった途端に眠気が襲ってきた。

向かいの部屋からなんとなく咳の音が聞こえたような。

そうは思ったもののもう体が動かなくてそのまま眠りに落ちていたみたい。