腸炎8 ページ21
翔サイド
救急車の中でも大きな声で呼びかけるとなんとか反応するかなっていう状態だったA。
病院につきすぐに救急に運び、スタッフがバタバタと動き回る。
ライトで照らされると顔色悪いのが目立つ...
「Aちょっと着てるもの捲り上げるよ。ズボンも下げちゃうね。」
何されてるのかイマイチわかってないのか抵抗することもない。
雅「採血するからチューブ3本くださーい。」
ルート2本和が取ってくれたのは良いんだけど、おかげ良い血管二つは使用中なわけで...
この脱水状態で採血するの大変だと思うけど、目はずーっとAの腕とにらめっこ。
和はスタッフの邪魔にならないように、でもAには触れられるところに立っている。
和「大丈夫だよA。もうちょっと頑張ろうな。雅と翔兄と救急のスタッフがみーんなでAのこと診てくれてるから。」
「血圧下がってないね。」
和「うん。」
雅「とりあえずは輸液管理で様子みよっか。痛み止め入れてあげて。熱の下がりが悪ければまた検査してて感じにしようか、って俺ここのドクターじゃないけど。」
「いや、雅の判断に任せるよ。外科医が診てそう下したのなら俺たち救急は従うだけ。血圧と体温だけ30分置きに確認してー。」
和「ん？Aどうしたの？」
和がAの顔に自分の顔を寄せている。
何かAが言ったのかな？
和「お腹痛いのね、うん、知ってるよ。昨日から一人で辛かったね。ここどこかわかる？ちょっと意識はっきりしてきたかも。熱あるけど、輸液これだけいれると体冷えるだろうから毛布もってきてもらって。」
「お腹痛いって？」
和「うん。よっぽど痛いみたいだね、かわいそうに。」
「もう一度ちゃんと診ようか。エコー持ってきてー。」
雅「俺がしようか？」
「はい、お願いします。雅先生。」
エコーがすぐに運ばれてきた。
雅「A、もう一回お腹触らせてね、一番痛いところどこかなーって確かめたいから。」
優しく声をかけてから、そっとそっと丁寧にAのお腹の上で手を滑らかに動かす雅。
やっぱりみぞおち、臍部、脇腹は大丈夫そう。
びくっと身体を大きく動かしたA。
雅「やっぱりこの辺りなんだね。念のため婦人科から潤にきてもらってくれる？」
「了解。すぐに呼ぶ。」
雅「エコーするからゼリー塗るね。手は和兄とつないでてよ。なるべく優しくするからね。」
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作者名：ルパン
| 作成日時：2016年8月28日 21時
