兄達と旦那さんはスーパードクターズ 28 (ページ13)

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乳腺腺維腺腫13 ページ13

翔サイド

『Aの生検結果出た。』

1週間後、午前中いつものように慌しくしていると雅から兄弟宛の一斉メッセージがきた。

1週間てことは怪しいところがなかったからだ、と思いながらも、いやパッと見ただけで悪性と診断された可能性もある...と自分でも珍しく動揺していた。

なんて返事しようか、とスマホの画面を眺めている。

次から次へと既読の人数が増えていき兄弟全員既読になった。
でも誰も何も返信してないことを思うと、雅からの続きを待っているんだろう。

どうだった？そんな当たり前のこと返信してみようか、と思っていた時、
また雅から送られてきた。

『乳腺腺維腺腫』

はぁぁーとほっとしていると次から次へ

『良かったー。』
『この1週間生きた心地がしなかったよ。』
『やっとぐっすり寝れる。』

そりゃそうだよね。病理の結果見るまでは悪性の可能性排除できないもんな。

『2箇所から採取した細胞のどこからも悪性のもの見つからなかった。後から潤と検体確認してくるけど、もう安心して平気だよー。念のためにエコーで経過観察お願いします、潤先生。』

雅のこういう明るい性格で今までどれだけ俺たち兄弟が救われてきたことだろう。

その日帰宅してみんなの顔を見るとこの1週間どれほど皆が緊張していたのかがよくわかる。

雅「A、この間の検査の結果でたからちょっとソファきて。」

Aもやっぱり落ち着かない1週間を過ごしていたに違いない。

A「うん。」

雅「乳腺腺維腺腫ていう良性のできものだから心配する必要ありません！良かったーーー。」

言いながらぎゅーーーっとAのこと抱きしめている雅。
雅だってそりゃ心配だったに違いないよな。

翔「良かったなぁ。なんともなくて。でも3ヵ月後に潤にエコーだけしてもらってね。」

A「えーー恥ずかしいからやだぁぁー。」

急にいつものAに戻る。

和「だめですー。経過観察だって大切なんだから。俺が引きずってでも連れて行くからねA。それから、今後何か心配なことあったら必ずちゃんとお兄ちゃん達に言うこと、わかった？」

ほんと、過呼吸起こして不眠になる前に相談してよ。

A「はーい。」

智「本当にわかってるのー？もうーAったらー。」

こうやって笑いあえて良かった。
結果によったら笑顔が俺たち兄弟から消えてたに違いない。

やっぱりみんな元気が一番だよね。