便秘(翔)5 ページ46
翔サイド
ピーンチ。
痛いぞ、これは。
下腹がぎゅーっと絞られるように痛い。
コーヒーのせいか？それともロールケーキか？
食べ物を入れたせいで、蠕動運動が始まったのか？
ちょと息を止めて神経を集中させる。
しばらくしたら必ず治まるはずだから、そのときまでぐーっと堪えよう。
必死に痛みに耐えてるとき、
潤がもう一杯コーヒー淹れようかって聞いてきた。
いや、どう考えても今の俺には無理なので、
美味しくいただいてるから大丈夫って断った。
潤はコーヒーを淹れるために立ち上がって、
雅はちょっとトイレーってリビングから出て行った。
今目の前には智兄しかいない。
このタイミングで言おう。智兄なら優しく助けてくれるはず。
そう思って、声を出したら
「ううううーーあああーーいてーーあああー」
うめき声しか出なかった。
ハーハーハー、あーこの絞られる感じ痛い。
智兄と潤がびっくりして駆け寄ってきた。
智「え？翔、どしたの？どこが痛い？そんな急に痛み出したの？」
潤「すごい汗だよ。どしたの？我慢してたの？」
心配して聞いてくれるけど、苦しすぎて答える余裕がない。
智「ちょっとソファに横になろうね。ゆっくりでいいから。
うん、つかまっていいよ。大丈夫だから。」
ものすごい力で智兄の肩にしがみついた俺。ごめんね、痛いでしょ。
潤「どこが痛いの？」
「腹」
その一言いうだけで精一杯。
智「こんなに急に痛みだしたの？潤、雅すぐに呼んできて。
何か急性の疾患かもしれないから。」
そう言うと、俺の頭をなでてくれて、手首を優しく握って脈を確認してる。
智「心当たりあるの、翔？こんな急激にここまでの痛みになるなんて。」
すぐに、雅が走ってリビングに戻ってきた。
雅「翔兄、だいぶ痛そうだね。すぐに診るからね。
ね、智兄、翔兄の身体支えておいてあげてね。
ちょっとお腹診せてね。どのあたりか痛むのか教えて？」
答える余裕がないから、下腹のほうに手を持っていく。
雅「わかった、下のほうね。ちょっと押さえていくよ。痛いかもしれないけど
ちょっとの間だけ動かないでよ。なるべくリラックスしてねー。」
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作成日時：2013年6月4日 3時
