兄達はスーパードクターズ2 (ページ36)

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虫垂炎手術(智)6 ページ36

和サイド

ちょっと意地悪言い過ぎたかな。まあでも虫垂炎放っておいたら命にかかわるからね。

そうこうしてると救急隊が到着した。

「32歳男性。急性虫垂炎の疑い。まあほぼ確実ですけど。
熱ありの頻脈です。風山病院の救急センターまで搬送お願いします。」

救急車の中でもただ唸り続ける智兄。
服も汗でぐっしょり。
大丈夫、すぐに楽になるからねーと声をかけながら、何度も額の汗をぬぐってやった。

救急センターに到着し、

翔「あら、またえっらいことになって。
何で今朝の時点で俺らに言わないかなー智兄。」

智兄の顔を見ていきなりきつい一言を発する翔兄。
まあ正論です。

翔「とりあえず鎮痛剤だけ救急で投与して、そのままオペ室行くよー。
もう、雅スタンバイできてると思うからね、智兄。
今、痛み1から10までで言うとどのくらい？」

智「100！100！」

1から10まででどのくらいって聞いてるのに。
しかも2回も100って。まあ要するにものすごい痛いってことね。

翔「はいはい、わかった。ものすごい痛いのね。
じゃモルヒネで良いね？」

そういって、モルヒネを筋注する翔兄。

そしてそのままオペ室へ。

1時間後無事に手術は終わり、
雅が智兄の乗ったストレッチャーを押してオペ室からでてきた。

雅によると、なんとか腹膜炎になる前に腫れあがった虫垂を切除できたとのこと。
全く人騒がせな長男だよ。でも無事でよかった。

今はまだ麻酔と鎮痛剤が効いて病室で眠っている智兄。

雅「今朝、なんで素直に俺たちに言わなかったかね？
この間は俺ら弟たちが自分を頼りにしてないみたいなこと言ってたのに、
当の本人が一番重症化したよ。全く。でも無事でよかった。」

翔「ねー、ほんと。今度からは本当に気をつけてもらわないと。
消化器専門の医者が、公共の場のカフェで腹痛でぶっ倒れるって結構ありえないよ。
しかも、自覚症状ありありで。」

和「俺はね、今朝の時点できづいてたよ。
だから今日はオフだったけど、何かあったら困るなーって思って一緒にいたの。
潤オススメのカフェでホットケーキ食べて、潤に感想言う予定だったのに、
食べないままだしね。」

みんな思ってることは同じだったんだな。
俺たちはやっぱりお互いをすごく分かり合ってる兄弟だなー。

智兄、早く良くなって、またホットケーキ食べに行こうね。