宝物×宝物＝ part２ (ページ20)

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傷つけないでページ20

シルク「じゃあこっちからも言いたいこと言わしてもらうわ。」

何を言われるのか身構えていると、それはあり得ない一言だった。

シルク「お前はさ、優って奴の事、好きなの？」

「…えっ？」

本当に思いがけない言葉だった。

違う、違うよ？

私が好きなのは__________。

そんな私の心は露知らず、シルクが畳み掛けるように次の台詞を発する。

シルク「そんなに必死に言うんだったら、何か裏あんだろ」

なんで？

何もないから、必死になるんだよ

どうしてそうなるの…？

シルク「言ってみろよ、今思ってること全部。」

すぐに反論しようとして顔を上げると、いつのまにかこちらを向いていたシルクが、言葉とは裏腹に、何かを期待するような、そんな顔で私の台詞を待っていた。

今思ってること、全部……

腹をくくれ、私。

言うなら、今しかない。

「今思ってることでしょ」

シルク「おう」

話し始めるときより、遥かに深く息を吸う。

「好きだバカ気付けバカ信じろバカ!!!!」

シルクは案の定、目を真ん丸にした。

「高校入って、彼氏がシルク達の悪口言ってて。中でも一番ひどく言われてるのはシルクだった。そのとき、すっごい腹立ったよ。殴りたくもなったよ？でも、ここで暴力振るうの、シルクはきっと望んでないだろうなって、我慢した。シルクの事好きだって気付いたのは揉め始めたときからだけど、心のどっかでは私、ずっとシルクの事好きだったんだよ。その気持ちにフタをし続けたから、ついにそのフタも開かなくなって。初めて本気の恋、したんだよ。それなのに…」

それなのに、それなのに。

「所詮YouTuberだとか、そんな言葉で、自分も私も傷つけないでよ!!!!」

言い終わった私は、肩で息をしていた。