好きか、嫌いか、 Y.T 【7】

#349 ページ49

.









北『んじゃ改めてかんぱーい』




カチンと2つのグラスが合わさって
まるで今日一杯目かのように
ゴクゴクと美味しそうにビールを流し込む北山さん



あれ？なんでこんなことになったんだっけ？、




個室居酒屋で裕太と鈴瀬さんと4人で飲んでて

2人は先に帰っちゃって

会計は裕太が知らない間に済ませてて

わー流石だな〜

こーゆーとこスマートだな〜って感心して

いやいやそこじゃないって



私も帰ろうとしたら北山さんに

もう一軒行かね？って…



そう！ここだ！

私断ったっけ？そんな事も覚えてない程酔ってる？




北『飲まねーの？』


「え？」




目の前にあるグラスを
ほれほれって指さされる




「飲みますけど…」



そのグラスを手に取ってちょっと口をつけた



北『んだよ、タマいねーとそんなテンション低いんだ』


「別にそんなんじゃ…
ただなんで私ここ来てるんだろーって」



北『ぶはっっ
お前すげーストレートに失礼だな(笑)』



「あっいや、そーいう意味じゃなくてっ」




私のあまりにも失礼な言葉に
思わずビールを吹き出しそうになった北山さんをみて
焦って訂正したけど
顔を真っ赤にして笑ってる姿を見てちょっと安心した




北『何でも何も、俺がもーちょいAと飲みたかったから
強引に連れてきただけだよ』


「………………」



北『なんだよ、そんな不満そーな顔すんなよ』



「別に不満なんかじゃ」



北『じゃーなんだよ』



チラッと北山さんを見ると
また美味しそーにビールを飲みながら
年齢を感じさせない可愛さで
ん？って聞いてくる



「…北山さんてたまに名前で呼びますよね」



北『あー…嫌だった？』



「嫌じゃないですけど」



北『ならいーじゃん』



「でも苗字だったり名前だったり」



北『一応、仕事中とか他のやついる時は
俺だって気ぃ使うわ』








.

#350→←#348

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す