FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - (ページ39)

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「…ッ」

( 彼奴に魔力奪われた分が今になって惜しい… ) 〝滅〟の空域を抜け出す事は出来たものの、全く奪われなかった訳では無くて。加えて流石に魔力を消費し過ぎたよう。( …足のアンクレットを外す…否、それは有り得ない。…確実に相手も弱ってる。行ける、 )

「うおおおおっ！！ガジル！！！」

このまま行けばと考えていた時、不意に感じた気配。同時に耳に届く怒号と、下から突き抜けて来た炎が大きな竜を形取る。その中心にはナツが居て。

「A！！コイツはオレが倒す！！お前は誰かと戦ってるエルザに加勢してやってくれ！！」

ナツの雰囲気がいつもとは違い、魔力が此処まで上がっているのは誰かに感化されたのだろうかと思っていれば、彼の口から出た名前に納得する。

それと同時にフェニックスが治療したとは言えど、身体への負担は相当有る筈なのにどうして動いてるんだと突っ込みたくもなって。

一度、深呼吸をして手に魔力を集めれば此処に乗り込む時のようにナツへと火を向ける。それに食い尽くのを見るとルーシィの傍に居たアクアとハッピーを見た。

「分かった。…アクア、ルーシィを安全な場所に。ハッピー、エルザの所に案内してくれる？」
「「あい！！」」
「任せたよ、ナツ」

おうと頷いた彼にハッピーに再び視線を向けて、部屋から脱出する。そして回復薬を飲んだ後、ハッピーの案内の元、誰か ── 恐らくはマスタージョゼと戦っているであろうエルザの元へと向かった。

「ハッピー、投げて！」
「あい！？あいさー！！」

マスターと同等の魔力を持つというジョゼに、この状況で勝てるかどうかは怪しい。魔法を使わずに体術での勝負になりそうだと思った時、感じた邪悪な魔力。私を掴んで飛んでくれていたハッピーが怯えるのが、分かってそう声を掛けた。

「ジョゼを蹴ったー！？」
「A…！？」
「エルザ、大丈夫なの？ ……それに何で、ミラ達まで…」

ジョゼの背後に回れた事とハッピーがスピードを出したまま私を投げてくれたお陰で、後頭部を蹴る事に成功し、そのまま手を着いて側転の要領で、黒羽の鎧を纏ったエルザの隣に並んだ。

そしてその時にやっと気付いたミラ、グレイ、エルフマンの存在。( 名乗りを上げたグレイやエルフマンは未だしも、何で戦えないミラまで… )

「エルザ、これ。魔力は回復しないけど、体力や傷は何とかなる」
「済まない、感謝する」

こんなに一気に消費する事になるとは思わなかったけどと思いながら、エルザに回復薬を手渡した。

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