第5話:幽鬼の支配者 ( 1 / 6 ) ページ29
盗賊団の事はあっという間に町に広まっていたようで、仕事から戻って来た0組の4人の耳にも入っていたらしい。もっと早く戻って来てたら加勢で来たのにと申し訳なさそうだったデュースには、手こずるような相手じゃなかったから大丈夫と返した。
《 良い天気だなァ〜 》
その翌日、宿をチェックアウト。朝から結界を張った上で森林浴をしていれば、自分も言わんばかりに自分の魔力で
《 ……レオ? 》
「どうしたの」
暫くして、唐突に白虎の名から出た随分と懐かしい名。唯、彼の様子は決して良いものでは無い。まるで、何かを警戒するような ── 、
《 何か分っかんねーけど、嫌な予感する! 》
「 ── A!繋がって良かった、お願い!急いで戻って来て…!」
「待って、何が遭ったの」
「ファントムよ」
彼の予感は良く当たる、それは星霊が関われば尚の事。ギルドに連絡をと言った彼に、鞄に入れていた魔水晶を引っ張り出した時、ほぼ同時に映ったミラの姿。
いつもにこやかな彼女とは違って冷静さを欠いている彼女に、状況の説明を求めれば、次に聞こえたのはカナの声だった。
「ファントムって…あの
「…ええ」
落ち着きを取り戻したのか、頷いたミラはそのまま経緯を説明してくれる。一昨日…つまりは深夜列車に乗っていた頃に無人のギルトがファントムによって破壊されていたと言う。
被害は建物だけだった為にマスターは動かず。昨日は地下のボロ酒場で過ごしていたらしいが…今朝になってレビィ、ジェット、ドロイの3人が襲われていたのが発見されたらしい。
「それで、殆どのメンバーがファントムのアジトに乗り込んだんだけど…不意を突かれたマスターがやられて、撤退せざるを得なくて…」
「マスターが…? でも、そもそも何で仕掛けて来たの? 昔から仲悪かったのは知ってるけど…直接仕掛けて来る事なんて無かったでしょう」
マスターが不意を突かれるなんて余程の事が無ければ、有り得ない。それにギルド同士の争いは評議員によって禁止されている。( だからこそ、ギルドが壊されたってマスターは動かなかったんだろうし ) それなのに、ファントムのマスター・ジョゼが動いた理由は?
「奴らの狙いは、ルーシィらしい」
「……ルーシィがなんで?」
「彼女、お嬢様だったみたいなの。本名、ルーシィ・ハートフィリア」
「ハートフィリア…って、まさか」
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ツバキ(プロフ) - 月の雫(ムーンドリップ)が月の雫(ムーンドロップ)になってますよ! (2019年9月23日 20時) (レス) id: 38cae1e3e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗葉 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/F0OOQB
作成日時:2019年6月10日 21時