[Elext City] Ⅱ (ページ18)

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結局Juriは(向井曰く)白を切ったまま、2人はRadio Townにあるバーへと赴いた。
rau♡《…「BAR CLOW」…？》
ko-ji!《よし、入ろか》

中に入るなり、向井がわかりやすく肩を落とした。
ko-ji!《Megきゅんおれへんやん…》
rau♡《はい？》
ko-ji!《いつもこのバーにおるって情報掴んだのに…俺のMegきゅん…》
rau♡《…あの、向井さん？》

Megというのは聞いた事がある。ここ最近人気の声劇の配信者さんだ。
向井はどうやら彼のファンらしい。まさか、来たかっただけ？
ko-ji!《ちゃう、ちゃうよ！俺の情報網舐めたあかんって！》
慌てたように言う向井をラウールはジト目で見た。
向井はふんす、といった顔でカウンター席へと進む。

お洒落な雰囲気を漂わせるそのバーのカウンター席に座ったラウールは、おしぼりとコースターを手渡してくれた高貴な印象を抱いたバーテンダーを余所目に何を頼もうかとまだ覚えたてのお酒の中から自分が思いつくものを想起させる。
するとその間に、向井が何かをコースターの上に置いた。

date.《…あぁ、お客様。どうやらこちらの席ではないようですね》
ラウールが何が起こっているかわからぬまま目を丸くさせていると、そのバーテンダーさんはどうぞこちらへ、と個室へと案内してくれた。
隣にいる向井は典型的なドヤ顔をしていた。

ko-ji!《コースターの上にこの「星の欠片」っていうアイテムを置いたら、「情報交換希望です」って意味になるねんよ》
バーテンダーの方が「少々お待ちを」と言って席を離れた後、向井は「凄いやろ！」という感情を前面に押し出した表情で嬉々として語る。
どうやら、彼の言う「情報通の人がバーにいる」というのは本当だったらしい。