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9. ページ9

夜の街を背景に
運転するソクジンさんの横顔は
いつも通り美しかった






JN「9月に卒業して、
その卒業祝いをまだしていなかったね」






そう、実は私はもう、
卒業した。
でも、遠くに住んでる両親は
私の卒業式に参加できなかったし、
友達もいないから、
私の中では卒業は大きな人生の一つの括り、
っていう感覚はなかった。






『最近、バタバタしてましたしね。』





JN「就職先は雑誌の編集部だよね?」





『そうです、』





JN「ウブな大学生が、
社会人になるんだね
感慨深いね」




『…ウブって言わないでください、
仕事は11月から始まるみたいです。』




JN「それまではゆっくりできるね」





今日は高級な日本料理店に
連れて行ってくれるらしい

わたしは、ソクジンさんとただ
一緒にいるだけで
嬉しいんだけども、






JN「久しぶりのAとの食事で
嬉しいな、初めて行くお店なんだ。
美味しいかわからないけど、」






そう言ってソクジンさんは
微笑む。

上品な微笑み方に、
無邪気に大きな口を開いて目尻を下げて笑う
テヒョンさんの姿がチラついた




テヒョンさんは良い人だ。
ソクジンさんに仲良くなってもらいたいのに、

でも、私が関与することでも
私がどうにか解決できることでもない






運転しながらソクジンさんは
突然鳴るスマホに耳を当てる









JN「…はい、もしもし」

『…』

JN「あぁ、あの件ね。どうなった?
……うん、、、中国系の人間ってこと?
あぁ、それは別のやつね。
…………同業者なのは確かなの?」




私がソクジンさんと一緒にいて
不安になる
理由がなんとなくわかった気がする




JN「……なんとかするよ、うん、
じゃあ引き続き頼んだよ」

『何かありましたか?』

JN「…なにも。ナムジュナからの電話だよ。」




ソクジンさんは
なにも教えてくれない




JN「あ、そうそう、
後でスマホ買ってあげるよ」

『す、スマホ?ありますけど』

JN「ははっ、あるのは知ってるよ笑
いつまでもアメリカ製のそのスマホを使われると
なんだか気分が悪くなる。
僕の会社のスマホにして」

ソクジンさんは
通信会社の社長で、
韓国人の誰もが持ってるスマホの会社で、
でも私のスマホはアメリカ製で。







『ソクジンさんはほんとに支配魔ですね』

JN「ふふ、ほら、ここだよ、
着いたね」

支配魔のくせに、
ソクジンさんは車から降りる私の扉を
紳士らしく開けてくれる。







.

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設定タグ:BTS , バンタン , ソクジン   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:やきにくさん | 作成日時:2020年10月2日 7時

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