27.TH ページ27
JN「テヒョナ、」
TH「ヒョンはAちゃんの
なんなの。
Aちゃんのこと、
一人にさせて泣かせて、
んで誰かのところに行きそうになったら
引き止めてさ、」
JN「ごめん、」
TH「謝るのは俺じゃないでしょ」
JN「うん…でも、ごめん」
ヒョンが、
誰かのためにここまで必死になってる姿を
見たことがなかった
勉強も、仕事も、
なんでも完璧で。
だからこんなに焦ってる姿をみて、
初めてヒョンから人間らしさみたいなものを
感じた
TH「で、何を聞きにきたの？」
スタジオの屋上は、
風を隔たるものは何もないから、
ダイレクトに冬の風が
ほおに当たって痛い
JN「Aが済州に行くって聞いたんだ。
同僚と。その同僚がテヒョナの友人だって
聞いたから」
TH「そうだよ」
JN「それ誰なの」
TH「え？そんなこと聞くためにわざわざ来たの？
見損なったよ」
ちょっと強い言葉になっちゃったけど、
TH「誰が相手とか関係ないでしょ。
ヒョンはヒョンの思ってることを
Aちゃんに伝える、
大事なことはそれだけじゃん」
JN「……はは、」
想像を反して、
ヒョンは笑った。
JN「テヒョナが羨ましいな、」
小さい声で独り言みたいにヒョンが言う。
俺は耳を疑った
JN「好きな人に好きって伝える、
ただそれだけのことが、
俺にとっては、
怖くて怖くて仕方ないんだよ」
寒さで鼻を赤くしたヒョンの横顔が
美しかった
TH「…学年で1番の成績取ったり、
大企業の社長になる方が簡単だってこと？」
JN「うん、そうだね」
冗談で聞いたのに、
ヒョンは真顔で答えた。
俺のヒョンで、
Aちゃんの好きな人。
TH「……………明日からだって。
済州。今から行けば、まだ間に合うかも」
JN「………ありがとう、テヒョナ」
今回は俺の負けじゃない。
…………ヒョンに勝たせてあげたんだからね、
.
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作者名：やきにくさん
| 作成日時：2020年10月2日 7時
