お話は小さな声で ページ6
「新入生!!シルバー!!何をしている!?今は入学式の最中だぞ!!」
『「あっ!!」』
見事にリリアと声が揃った。
「い、いやぁ〜久しぶりにAと感動的な再会をしたもんで、つい話し込んでしまったんじゃ。」
リリアが言い逃れをする。
『感動的な再会の割にはボク忘れられてたんですけど。』
「ま、まあまあ。そうじゃ。座らねばな。A、そこに座るが良い。」
『逃げたな。』
小さな声で呟く。
しかし、いかんせんリリアは耳がとてつもなく良いのだった。
ついでに言えば目も。
(聞こえちゃったかな?)
でも、聞こえていてももうリリアはさすがに話しかけてこない。
(そりゃそうだろうな。)
さっきから他寮の視線が痛い。
人間関係疎いボクでも気付いちゃうレベルの視線。
仕方ないからボクは隣の人にも聞こえない様な小さな声で喋る。
きっと耳の良いリリアなら聞こえるはず。
『マレウス様はどうして入学式にいらっしゃってないの?』
すると、リリアがギクッと言う感じで風の囁きの様な小さい声で返事を返した。
その声も常人には聞き取れないほど小さかったけど、ボクは母国から持ってきた声量増進機を耳にはめていたから聞き取れた。
「…呼ぶのを忘れてしもうたんじゃ。」
『何だって??呼ぶのを??』
「忘れたんじゃ。
それにしても、こんな声量でよく聞こえたのう。」
『ボクの母国忘れたの?ボクが作った声量増進機だよ。』
「なるほど。ワシら妖精族は機械の類には疎いからのう。」
『ああもう、そんな事より何でマレウス様呼ばなかったの!?ボク、マレウス様に会うのを心待ちにしてたのに!ああ、マレウス様、今頃お1人で落ち込んでいらっしゃらないかな。』
「少しの間…いやお主らの感覚だと大分かの、会っていなかったがAは相変わらずじゃの。」
『ええい、話をそらすなぁ〜!!他の寮長が知らせたりは?』
「この様子ではしてないようじゃの。ワシらが普段どれだけマレウスと交流があっても、なぜか呼び忘れてしまうのじゃ。」
そっか、でも体調が優れない訳ではないみたい。
良かった〜
(あ、寮分けこの子で最後だ。)
気付けば各寮の新入生の座る席が殆ど埋まっていた。
そしてこの後闇の鏡が彼に放った言葉に、ボクはまた既視感らしきものを覚えてしまった。
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茨の國のぼっち(プロフ) - もちたさん» わあっ!ありがとうございます!そう言ってくれると私も凄く嬉しいし、書くのが楽しくなります!これからも、のんびり更新がんばります! (2021年1月13日 6時) (レス) id: 9a68fed22a (このIDを非表示/違反報告)
もちた - 凄く面白くて読むのが楽しいです!!!更新頑張ってください!!! (2021年1月12日 19時) (レス) id: eac30fd62c (このIDを非表示/違反報告)
ねっこ - 茨の國のぼっちさん» やったあああ!楽しみにしてます!! (2020年10月15日 17時) (レス) id: fe5ea8f0b9 (このIDを非表示/違反報告)
茨の國のぼっち - ねっこさん» うっそぉ!?こんな拙い文章を読んで頂いて、しかも好きだなんて!テスト終わったんで更新頑張ります! (2020年10月14日 20時) (レス) id: 9a68fed22a (このIDを非表示/違反報告)
ねっこ - えっ!?この作品好きすぎてやばいです!!性格も私そっくりだし......(あ)もう更新めっっちゃ頑張ってくださいいいぃぃぃぃ!!!! (2020年10月9日 16時) (レス) id: fe5ea8f0b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茨の國のぼっち | 作成日時:2020年10月3日 1時