運命249＃ どうしてほしい ページ34
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そのまま思う存分イチャイチャする気満々だったのに、突然Aを手放した鬼道が「着替えを済ませてくる」と言って出ていってしまった。
離れていたぶん、一秒でも長く有人にくっついていたいのに……。
ぷっと頬をふくらませながらも、大人しくソファに座って待つこと五分。
部屋着に変えた鬼道が、黒の長袖の袖口を折りながら「それで」と言った優しい声色に、風船は萎んだ。
「どうして欲しいんだ？」
「えっと……あのな？」
Aの隣に座る鬼道。重みでソファのクッション部分が傾き体が彼に触れる。
色々ねだるつもりだったのに、改めて口にするのは少し恥ずかしくて。
しかし我慢してきた一週間の欲望が背中を押し、Aは鬼道を見上げて、試すように言った。
「キス……して欲しい」
「……」
「なあって、わっ」
話の途中で突然ゴーグルを外し始めた鬼道が、そのゴーグルを些か乱暴にAに着けさせた。
ほとんどの視界が遮られる。見えるのは、ゴーグルをつけていない鬼道の鮮やかな赤い瞳。
「ゆ、……ひゃ！」
反射的に伸ばそうとした右手は掴まれ、ちゅっと頬にキスが落とされる。
「ちょ、そこじゃな──」
額にもキスを落とされたので黙らざるを得なくなった。バランスを崩してソファに倒れ込んだAに、追撃とばかりに鬼道が追ってくる。
Aの素足を持ち上げて、包むように内ももにキス。
「ひょあ、待っ、んんぅ……！」
顔を真っ赤にしたAは何故か力が抜けて抵抗できない。
逃げ出さねば。うつ伏せになろうとしたが、体を捻った隙にキャミソールが持ち上がり、現れた白い背中。
Aがまずいと思う間もなく、そこでも響くリップ音。
腕。指先。うなじ。視界の外で突然降ってくるキスにAの意志と反して体は敏感になり、否応なくビクンと反応する。
そして、熱を持った親指がそっとAの唇を撫でた。
「……」
「……っ」
ふっ。微笑んだ鬼道が、それはそれは優しく、唇に吸い付く。
痛くされたわけでも、激しくされたわけでもないのに、Aの体温は酷く上昇し、短い呼吸を繰り返すことしかできなくなっていた。
鬼道はAに着けたゴーグルを外してやる。困ったような、抗議するような琥珀の瞳は濡れていて、汗ばんだ頬は林檎のように赤くなっていた。
「どうだ。もう満足か？」
「……っもっと……」
「ふっ。……そう言うだろうと思っていた」
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棗(プロフ) - 絶対読みます‼️✨️✨ (2023年4月9日 14時) (
レス) id: 20492549c0 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 棗さん» 棗さん！ 拙作のお気に入り登録通知にいつも元気をもらっています。お読み頂きありがとうございました。次回作ができあがりましたらぜひまた読んでいただけると嬉しいです…！ (2023年4月9日 13時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - 鬼道有人大好きなんで見るのがすごく楽しみでした‼️これからも読ませて頂きますm(*_ _)m (2023年4月9日 13時) (レス) @page48 id: 20492549c0 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 初見朧さん» そうです最終章…の予定…です〜！！ そう、私も凄いあっという間だった気がする……。わ〜！ ほのぼの目指してたのでそう伝わってて大変嬉しいです❤️ 頑張るね、ありがとう！！ (2022年3月11日 12時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - fin…fin！？終わり！？そっか、夙夜夢寐もここまで来たんだね。なんか早い気がする(天空の巫女読み返してるからかな)前作は恋愛要素が多くて、読んでてほっこり？ほんわか？なんて言うんだ？そんな気分になりました。最後まで頑張ってね！ (2022年3月11日 9時) (レス) @page1 id: 0165dfb280 (このIDを非表示/違反報告)
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