運命248＃ ゴールまでの道筋 ページ33
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「有人がなんで怒ってたのか、あたしなりに考えたんだ」
Aは鬼道の服の裾を掴んで、俯いたままぽつりと言った。
「あたし、最近の平和で普通の日常に、飽きてきていたんだ。『朱雀』をしていた時のような刺激が足りなくて、つまんなかった」
「……」
「けど、逃げちゃいけねえ時ってのがあるんだ。あたし自身が決めた夢のために。頑張ってきた四年間を足枷にしないために」
ポタ。カーペットに染みができる。
「ちゃんと、分かったからっ……だからもう、無視したりすんなよぉ……」
ずっと堪えてきたものが胸から溢れ出し、目からボロボロこぼれ落ちる。顔を見るのが怖くて、Aは手の甲で涙を拭いながらずっと俯いていた。
鬼道が答案を机に置いた気配。掴んでいた裾が突っ張って、Aはビクリと顔を上げた。
鬼道が柔らかに微笑んで、両腕を広げてAを待っていた。
「〜〜〜っ！！」
堪らなくなって、Aはその中に飛び込んだ。
温かい腕が受け止めて、優しく包んでくれる。ずっと触れたかった。触れてほしかった。笑ってほしかった。
「偉かったな。ありがとう、たくさん考えてくれて」
「バカッ、馬鹿馬鹿っ！ 無視なんてすんなよっ、すげー傷ついたんだぞ！！」
「悪かった。今一度、自分を見つめ直して欲しかったんだ。目標を見失っているなら、思い出させてやらなくてはとな」
鬼道の手がAの頬を撫で、涙を拭う。
じっと上目遣いを向けるAの額に額をくっつけて、頭を撫でた。
「サッカーと同じだ。輝かしいゴールの軌道には、たくさんの血と汗と涙が流れている。そのうちの一つを取りこぼして、後悔に泣くお前を見たくなかった」
「……ん。おわっ！」
そのまま抱き締められる。先程の天使の羽に触れるような優しい手つきでなく、ただ強く、強く。
安心感が心を揺さぶった。Aも鬼道の背中に手を回しながら、それでも照れ隠しに彼の肩に顔を埋めて。
「……いっぱい甘やかせ」
「ああ。好きなだけ付き合ってやる」
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棗(プロフ) - 絶対読みます‼️✨️✨ (2023年4月9日 14時) (
レス) id: 20492549c0 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 棗さん» 棗さん！ 拙作のお気に入り登録通知にいつも元気をもらっています。お読み頂きありがとうございました。次回作ができあがりましたらぜひまた読んでいただけると嬉しいです…！ (2023年4月9日 13時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - 鬼道有人大好きなんで見るのがすごく楽しみでした‼️これからも読ませて頂きますm(*_ _)m (2023年4月9日 13時) (レス) @page48 id: 20492549c0 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 初見朧さん» そうです最終章…の予定…です〜！！ そう、私も凄いあっという間だった気がする……。わ〜！ ほのぼの目指してたのでそう伝わってて大変嬉しいです❤️ 頑張るね、ありがとう！！ (2022年3月11日 12時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - fin…fin！？終わり！？そっか、夙夜夢寐もここまで来たんだね。なんか早い気がする(天空の巫女読み返してるからかな)前作は恋愛要素が多くて、読んでてほっこり？ほんわか？なんて言うんだ？そんな気分になりました。最後まで頑張ってね！ (2022年3月11日 9時) (レス) @page1 id: 0165dfb280 (このIDを非表示/違反報告)
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