運命239＃ 退屈 ページ24
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花びらが散り終わり、学校近くの桜はぷっくりと緑色の葉をつけ始めた。そんな季節の移ろいを感じられるほど、Aの心は平穏と余裕に満ちていた。
合コンのひと騒動があった以外、大して変わり映えや刺激のない日々が続いている。それが幸せである反面、少し退屈になってきた自分もいた。
「Aっ」
「おう！」
虎丸からのパスをトラップしそのままドリブルに持ち込む。
今がつまらないというよりは、これまでが波乱すぎたのだ。「情報屋」
赤い羽根は、暗闇でこそ映えて見える。
「トロイメライ！」
前に立ちはだかった後輩を簡単に抜き去る。そのまま単独で中央突破を図った、が。
「ま、待つっス！」
「！」
味方チームの壁山が慌てて止めた。怪訝な顔をして立ち止まると、周りは驚いた顔でAを見つめている。
「なんだよ？」
「ダメっスよA。今日は後輩の指導のための練習なんスから、トロイメライは禁止って言ったじゃないスか」
「……あ！」
しまった。考え事をしていてもサッカーはできたが、そのことをすっかり忘れていた。
「……悪い、集中できてねえな」
「悩み事なら、俺たちも聞くっスよ」
「いや。外走ってくるよ。気合い入れ直す」
壁山はまだ何か言いたげだったが、構わず校門に向かって走り出した。
そのまま考える。
平和は嬉しい。けれど、夜闇の中で暗躍し金を稼ぐことを、楽しんでいた自分も確かにいたのだ。
「……有人に言ったら、怒られるよな」
そもそも、なんて言えば良いのか分からない。何もない毎日すぎて、勉強でもあまり成果を感じられなくて、退屈だなんて。
鬼道と触れ合う時間は好きだ。学校での出来事を話すのも、不意にじっとこちらを見つめた彼が優しく触れてくれるのも好き。でも、高校に入って忙しい彼との時間も、限られている。
なんだろうな。……気分転換がしたい。そんな感じだ。
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棗(プロフ) - 絶対読みます‼️✨️✨ (2023年4月9日 14時) (
レス) id: 20492549c0 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 棗さん» 棗さん！ 拙作のお気に入り登録通知にいつも元気をもらっています。お読み頂きありがとうございました。次回作ができあがりましたらぜひまた読んでいただけると嬉しいです…！ (2023年4月9日 13時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - 鬼道有人大好きなんで見るのがすごく楽しみでした‼️これからも読ませて頂きますm(*_ _)m (2023年4月9日 13時) (レス) @page48 id: 20492549c0 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 初見朧さん» そうです最終章…の予定…です〜！！ そう、私も凄いあっという間だった気がする……。わ〜！ ほのぼの目指してたのでそう伝わってて大変嬉しいです❤️ 頑張るね、ありがとう！！ (2022年3月11日 12時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - fin…fin！？終わり！？そっか、夙夜夢寐もここまで来たんだね。なんか早い気がする(天空の巫女読み返してるからかな)前作は恋愛要素が多くて、読んでてほっこり？ほんわか？なんて言うんだ？そんな気分になりました。最後まで頑張ってね！ (2022年3月11日 9時) (レス) @page1 id: 0165dfb280 (このIDを非表示/違反報告)
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