運命228＃ 他人に伝わらないもの ページ13
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「おい本当に大丈夫かよ！？」
「大丈夫大丈夫。ここの校長先生には、生徒の許可があれば自由にって言われてるから」
「あたしは生徒じゃないぜ？」
「後ろ姿だけだから」
初めて雷門の制服を着たときにくすぐったい感じがしたが、あれに似た感覚を味わう。
「だいいち、別に人いらねえだろ。建物撮っとけよ」
「僕は人が写ってないと気分が乗らなくてね。さっきやってくれるって言っただろ？ 付き合ってくれよ」
確かに勢いに押されて承諾してしまったのは自分なので仕方がなくカメラに背を向ける。自然体でいてほしいというのでゆっくり歩いた。
どうしてカメラマンなんてやってんだ。
写真が好きなんだ。
なんで？ 目で見たほうが綺麗じゃねえか。
そういう考え方もあるかもね。けど、目で見ただけのものはいつしか記憶の中で薄れていくだろう？
時をそのまま切り取れる、そんなところに写真の魅力があるんだよ。
へえ。
それに、被写体がごくたまに、時間にして数瞬だけ、信じられないほどの輝きを放つことがあるんだ。サッカーの試合を撮っているとそれが多く現れる。
「その瞬間を切り取れたとき、その輝きは永遠に後世に伝えられる。僕の写真を見て希望を抱いてくれる人が一人いたら、それが何よりも幸せだ」
……悪かったよ。
え？
「……カメラマンなんか、って言ってさ。そういうの、ちょっとは分かるぜ、あたしにも」
他人に伝わらなくても、自分の中に譲れないこだわりがあって、その衝動には何者も抗えない。
むしろ、その全てをさらけ出してしまったら、自分の中のそれが色褪せてしまう。気がする。
シャッターを切る前後の彼は黙り込んでしまうので、会話は途切れ途切れだったが、別に苛立ったりしなかった。
時計台を前にしていた彼女が括った髪を揺らしながら振り返る。彼が静かにカメラを構えた。
「そんなものを持ってられるなんて、幸せだと思わねえ？」
「……そうだね」
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棗(プロフ) - 絶対読みます‼️✨️✨ (2023年4月9日 14時) (
レス) id: 20492549c0 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 棗さん» 棗さん！ 拙作のお気に入り登録通知にいつも元気をもらっています。お読み頂きありがとうございました。次回作ができあがりましたらぜひまた読んでいただけると嬉しいです…！ (2023年4月9日 13時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - 鬼道有人大好きなんで見るのがすごく楽しみでした‼️これからも読ませて頂きますm(*_ _)m (2023年4月9日 13時) (レス) @page48 id: 20492549c0 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 初見朧さん» そうです最終章…の予定…です〜！！ そう、私も凄いあっという間だった気がする……。わ〜！ ほのぼの目指してたのでそう伝わってて大変嬉しいです❤️ 頑張るね、ありがとう！！ (2022年3月11日 12時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - fin…fin！？終わり！？そっか、夙夜夢寐もここまで来たんだね。なんか早い気がする(天空の巫女読み返してるからかな)前作は恋愛要素が多くて、読んでてほっこり？ほんわか？なんて言うんだ？そんな気分になりました。最後まで頑張ってね！ (2022年3月11日 9時) (レス) @page1 id: 0165dfb280 (このIDを非表示/違反報告)
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