運命226＃ 浮気者！ ページ11
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「よしっ……！」
ボールの行く末を見届けて、虎丸はぐっと小さくガッツポーズをした。前方に豪炎寺が音もなく降り立つ。
彼の白く逆立った髪の毛先が炎のように揺らめいて虎丸を振り返った。切れ長の目が細められたのを見て、虎丸もふつふつと喜びが沸きあがる。
立ててくれた親指に自分も返そうとした。
「『よし』じゃねーー！」
……が、それは形を成すことなく、耳を劈くAの声に崩れ去ってしまった。
「なんでお前っ……い、いつの間に……」
駆け寄ってきた彼女に豪炎寺とシュートを決められたことの無垢すぎる喜びの表情を見られたことが照れ臭く、人差し指で鼻の下を擦りながら視線を逸らす。
「あー……練習後に、こっそり」
「あんなボロボロになった後でえ！？」
獣かよ……。
そうこぼしたAの目には虎丸が危惧した邪な感情はなく、ただただ尊敬に溢れていたので余計照れ臭くなってしまう。
「……ずりい」
「うん？」
「あたしはお前との必殺技で頭がいっぱいだったのに、しれっと豪炎寺と浮気しやがって……」
「ちょっ、A？」
なぜそんな語弊を生む言い方をするのか。何より曇りなき
「くっそお……あたしも浮気してやる！ 有人ーっ、あたしらも新技作ろうぜー！」
いや、そっちが本命だろ！ ……なんてツッコミをしかけて、なんだか違うと気がつき、やめた。この日のために二つの技を同時進行で練習してきたせいで、疲れているのだろう。
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「ありがとうございました！」
残り時間はもうあれからほとんどなく、その後のワンプレーで決着となった。2-0、雷門の勝利だ。
「今日はありがとな！ 全力で戦えて、すっげー楽しかったぜ！」
「私達も更に精神を磨くことができたと思います。貴重な機会をいただいて、ありがとうございました」
両者のキャプテン同士が握手を交わしているのを聞きながら、Aは横目で漫遊寺イレブンの輪を見た。
ぐりぐりと頭を撫でられ、不服そうな顔をしていた木暮が、じりじりと動いて彼らを誘導しまとめて落とし穴に落として「うっしっし」と笑っている。
ま、あの調子なら大丈夫そうだろ。
居心地の良さを感じながら踵を返すと、背後から鬼道に名前を呼ばれた。どこへ行くのかと尋ねているのだ。
「散歩」……と返して、振り返らずにヒラヒラと手を振った。
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棗(プロフ) - 絶対読みます‼️✨️✨ (2023年4月9日 14時) (
レス) id: 20492549c0 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 棗さん» 棗さん！ 拙作のお気に入り登録通知にいつも元気をもらっています。お読み頂きありがとうございました。次回作ができあがりましたらぜひまた読んでいただけると嬉しいです…！ (2023年4月9日 13時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - 鬼道有人大好きなんで見るのがすごく楽しみでした‼️これからも読ませて頂きますm(*_ _)m (2023年4月9日 13時) (レス) @page48 id: 20492549c0 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 初見朧さん» そうです最終章…の予定…です〜！！ そう、私も凄いあっという間だった気がする……。わ〜！ ほのぼの目指してたのでそう伝わってて大変嬉しいです❤️ 頑張るね、ありがとう！！ (2022年3月11日 12時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - fin…fin！？終わり！？そっか、夙夜夢寐もここまで来たんだね。なんか早い気がする(天空の巫女読み返してるからかな)前作は恋愛要素が多くて、読んでてほっこり？ほんわか？なんて言うんだ？そんな気分になりました。最後まで頑張ってね！ (2022年3月11日 9時) (レス) @page1 id: 0165dfb280 (このIDを非表示/違反報告)
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